「鉄道会社の経営」(佐藤信之著・中公新書)
たしか、鉄道会社のオーナーになって沿線開発を進める・・・というPCゲーム
が、ありますよね。赤字ローカル鉄道の社長となって、経営を立て直す・・・・という
ゲームも、ありますでしょうか?・・・・。
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「成長」の行く末は・・
冒頭の「津軽鉄道を訪ねて」のルポで、“つかみ”はバッチリ。 その津軽鉄道の当期純利益
は45千円とのこと。いじましい・・・。 そして、ガラッと変わって巨大企業・JR東日本の当期純
利益は、 138,840百万円。そのコンントラストの描き方が、秀逸です。
対して、「都市鉄道の整備」「鉄道会社のレジャー開発」等の 中盤の章が、鉄道会社の沿
革を引き写しただけのように感じられ、 少し退屈でした(関心のありよう、なのでしょうが)。 私としては「合理化」による“経営努力”についても、項を多く 割いて欲しかったように思いま
す。
時々、首都圏の新線・つくばエキスプレスを利用しますが、各駅 付近に、新しい街が出来
ていく様を目にすることが出来ます。鉄道 が、その沿線の土地需要を喚起していく・・・、本書
で書かれている ことを、実感します。 とはいえ、人口減少時代に突入したと云われる現
在、その「成長」 を前提とした、鉄道会社の経営手法はどうなるのだろう?関心を持た ざる
得ません。
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