第五章「御仮屋書店にて」①
あっ、昨日は写真撮らなかったぞ・・・
で、税所邸での一枚を。
表玄関に立った位置から。奥のほうが「居間」の部分。
さてさて、気抜けしないうちに、次章の冒頭を。
愛しのヒロイン・御仮屋睦ちゃんには、まだまだ活躍して
頂かねば。
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第五章「御仮屋書店にて」①
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土曜日、午後三時過ぎ。
鶴亀信用金庫の新米職員であり、新納流試心館(にいろりゅうししんかん)の
新米館主である御仮屋睦(おかりや・むつみ)は、ただ今は鹿児島県紫尾市の商
店街の中ほどにある御仮屋書店の“にわか店員”だ。そう、睦の家であり、睦は
この御仮屋家の長女なのだ。
「まったくね~。ここらのOLらしく、休みの日はドライブがてらに温泉?
ショッピング?っていう生活とは、縁なさそう・・・」
とぼやいてみた。睦が短大を卒業して家に戻ってくると決まった時点で、両
親は睦に書店の仕事を手伝ってもらうという算段をしたらしい。午後から両親二
人で、熊本県内の黒川温泉へ一泊旅行に出かけたのだ。日曜は定休日だから、土
曜夜八時まで、とりあえず店を開けておけばいい。ついでに、睦の二人の弟、瞬
(しゅん)と時(とき)の食事の用意も仰せつかっている。
もっともこの時期に、温泉旅行に出かけた両親の気持もよく解る。
御仮屋書店が今も店を開けていられるのは、ひとえに「教科書取扱店」である
おかげだ。届けられた教科書の山を、各学校ごとの必要冊数に小分けする。高校
生の教科書は、直接生徒に販売するので、各学年ごと、さらには選択コースに応
じて、一人分に小分けする。そんな作業に、ここ二ヶ月ばかり忙殺された後、新
学年が始まって、各学校への納品、生徒への販売が一段落して、ほっと出来る時
期なのだ。
(つづく)
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