第五章「御仮屋書店にて」④
白い雲と空のコントラスト。
でも、快晴の夜って、ブルッ!としてしまうくらいに、冷え込みます。
さて、ゲッソリ・・・なのですが、あんまりサボると、愛しのヒロイン・
むっちゃんに、袋叩きにされてしまうので。
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第五章「御仮屋書店にて」④
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ところがだ。その男の子は、睦が向きを変えた途端、顔が真っ赤になり、う
つむいてモジモジし始めてしまった。
「あっ・・・・、あの・・・・・」
(なによ~~っ)
と思ったが、睦は原因がすぐわかった。脚立の高さのおかげで、ブラウスの
ボタンを弾き飛ばさんばかりの立派な胸が、男の子の眼前に現われたのだ。
(あっ、ごめん、ごめん)
さりげなく胸を両腕で隠してあげたが、小柄な睦にとって、この男の子を見下
ろす視線は、ちょっと快感だ。もちろん年上の来店者であったら、即座に脚立か
ら飛び降りたのだが、相手は高校生だ。この見下ろす位置を、しばし楽しませて
もらおう。
「なにか、お探しでしょうか?」
睦は素知らぬふりをして、もう一度訊いた。高校生なら、教科書の購入かな、
とも思うが、授業が本格的に始まったであろう今では、少し遅い。
男の子は、睦の方を見ないようあらぬ方向に目をやりながら、それでも勇を
ふるって声を出した。
「あ・・・、あの・・・・、英検の問題集が欲しいんですが・・・」
(つづく)
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