第五章「御仮屋書店にて」⑫
ねぐらに帰ってきてみれば、雨漏り。
でも、起きて午後になってみれば、雨はやんでおりました。
東日本の被災地で、大きな被害となりませんように。
さて、スコシデモすこしでも・・・。
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第五章「御仮屋書店にて」⑫
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「ちょっと“偵察”させてください」
張り切った坂道は、自ら店内を一周してみている。自分の足で、店内の距離感
を把握するつもりなのだろう。
「う~~~ん。本にぶつけない、というのは難しそうだから、自分、転がして
挑戦します」
坂道は宣言した。
「ふふ。がんばって。でも、私小さい頃、それこそ何回も『商品にぶつけるな!』
って、親に怒られてたな・・・」
ふと睦は思いついた。
「そうだ、坂道君。あなたが出来たら、私があなたに英語教えてあげようか?」
「ほ、ホントですかッ!」
俄然、坂道のやる気が盛り上がったようだ。睦は、ちょっと照れてしまう。
とはいえ、このまま地元でOLをしている限り、せっかくの英語を活かす機会は
ないだろう。それは、とても無念だ。ふと思いついたことだが、たとえ“まぐれ”で
あっても、坂道には成功して欲しい、という想いも籠められている。
「じゃあ、いきます!おい、ボール。ちゃ~~んと、帰ってくるんだぞ~~」
坂道は、ボールに念じることまで、睦の真似をしてみせた。
(つづく)
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