第七章「女三人+犬一匹」②
快晴の日の黄昏。
そうそう。コンビニで店番をしていると。暑くなると、オジサン店員として、
“困ちゃう”こと。
女性のお客さまが、薄着であること。
ふ~~。ホント「○○円です。ハイ、ありがとうございます~!」と言っている
内心では・・・・・。
そんな女性の皆さまに敬意を表して。
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第七章「女三人+犬一匹」②
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支店長のお説教から解放された時、小雪が他の二人・睦、茜に、
「ねえ、ちょっと・・・・」
と目配せを送ってきた。
金融機関のテラー(窓口係)は、ひとたび午前九時の開店時刻を迎えれば、
昼食時間以外、おいそれと席を立つことは許されない。勢い、午後三時を過ぎて、
最後のお客さまを送り出した後、女性職員が一斉に「ちょっと休憩」と席を立つ
ことは、黙認されている。
女三人は、休憩室も兼ねている女子ロッカー室で頭を揃えた。
「ねえ、田所さん、御仮屋さん。今夜、うちに遊びに来てくれない?今日の
反省会でもしない?」
小雪は言いながら、コップをグイとあおる動作をしてみせた。「飲もう」という
誘いだ。
「ん・・・。おばさんも、いいの?」
と応じたのは、茜だ。どうも常日頃から、独身者である小雪・睦には、遠慮心
を持っているようだ。
「そんな~~。私なんて、たぶん、御仮屋さんよりも、田所さんの方に歳は近
いはずじゃないですか・・・。もちろん、来てくれますよね?」
「わ~~。そりゃあ、もう!」
茜は、大喜びで同意した。睦には、断る理由はない。が、しかし、
「あの・・・。私、帰ったら、タダモトを散歩に連れていかなきゃいけないの
で・・・、少し遅めの時間にして頂けませんか」
睦は頼んだ。
「そうか・・・。今日は私たち、アクシデントがあったから、帰れるのは
午後六時半?・・・。ちょっと厳しいかしらね・・・。じゃあ、午後八時、
でどうかしら」
「はい。なんとか、駆け足で散歩してきます」
睦は応じた。
「よしっ。今夜は、ママさんバレーの練習はサボらせてもらって~と。子供
の相手と、送り迎えはダンナに無理やり頼もうっと。今夜は、飲むぞ~」
嘱託職員である茜は、毎日定時の午後四時に勤務終了となるのだが、そこか
ら子供二人を相手しつつ、家事・ご近所付き合いの時間が待っているのだ。茜の
頭の中では、慌しく今日のスケジュールの調整がされているはずだ。
(つづく)
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