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2011年7月23日 (土)

第七章「女三人+犬一匹」⑳

 なんとか、大慌てで御幣を切って、下げることができました。

1107231s
 今年は、久しぶりの夏祭り。

 ま、しがないコンビニ店員としては、黙々と店番をする外はなく。

 しかし、そこは、ちょとの意地。
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         第七章「女三人+犬一匹」⑳
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、右「カテゴリー」内「自作
小説」をクリックしてください。m(__)m)

 「さ~~て、タダモトくんにも試食してもらうよう作った“タマネギ抜き
グラタン”の出来はいかに~」
 台所で、茜がレンジから取り出したグラタンに箸を突き刺して、出来上がり
具合を見ている。
 「でもさ。犬にタマネギを食べさせてはいけない、というのは知っていたん
だけれど、改めて調べてみると、乳製品もあまりよくない、ってね・・・・。
それじゃあ、結局ホワイトソースを使ったグラタンも、あまりよくない、って
ことになるのよね・・・・」
 小雪が、タダモトの頭を撫でながら、つぶやいた。
 「ふふふ・・・。これも傑作でさ~。睦ちゃん、小雪さんが私にどんな“ご
命令”を出したと思う?」
 「えっ?、そんな~~。タダモトのために、そこまで気を使ってくださらなく
ても・・・・」
 「あはっ、『田所さん、ホワイトソースを使わないグラタンしてください!』
ですって。そうなっちゃたらさ、もう一からレシピを考えなくちゃならないじゃ
ない。さすがの、私も、降参でございました・・・・・」
 「もう・・・・、茜さん、恥ずかしいです・・・。でも、睦ちゃんは、ちゃん
とタダモトくんの食事、作ってあげているんだって?」
 小雪が、睦に訊いてくる。
 「はい。何日か分をまとめて作って、冷凍して、一食分を解凍して、タダモト
にあげるようにしています。でも、栄養的には、結局は、ドックフードをあげた
ほうが、いいようなんですよね・・・・・」
 「そっか・・・・。でも、タダモトくんは、睦ちゃんの手作りのほうがいい
よね?~~」
 小雪は、タダモトに訊いてみる。タダモトも、かすかに肯いたように見えた。

 「さ~~て、私と小雪さんの力作“タマネギ抜きグラタン”、
                      さあ、召し上がれ~!」
 茜が、台所から宣言した。
                       (つづく)
 
 

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