第七章「女三人+犬一匹」⑩
昨日午後4時半ごろの米ノ津川。
私が住む栄町(商店街)の低い部分は、かなり冠水していたとのこと。
米ノ津川の本流も、橋の欄干下すれすれまで、一時は増水していたとのこと。
不貞寝を決め込んでいた私、ちょっと申し訳ない気持・・・・・。
一応出水市をモデルにした、「紫尾市」を舞台にした小説を書いている身と
しては、どうネタに取り込めるでしょうか。
そうそう、今日は七夕ですね。
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第七章「女三人+犬一匹」⑩
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「あはっ。私の親なんて、とっても真面目で厳しいから、一人娘の私が『オ
ナニー』なんて言葉を使ったら、一発で卒倒しちゃうんじゃないかしら・・・」
とは、小雪。
「言葉だけじゃないんですよ~。お風呂上りに、こっちがいい気分になって、
バスタオル一枚で、自分の部屋まで行こうとするとですよ。見たくないなら、
部屋に引っ込んでいればいいじゃないですか。ところが、わざわざ部屋から出
てきて、『青少年の健全育成に反するぞ~』なんて、はやしたてるんです・・・」
「あらあら・・・。それは口とは反対に、お姉ちゃんのナイスボディを鑑賞
したい、って、ことね。そうか・・・、思春期の男の子って、そうなるんだ・・」
と、茜。おそらく、頭の中では、自分の息子を思い浮かべているのだろう。
睦は思いきって、話を続ける。
「私、反撃してやる~!って、思って、まずお風呂場から、
『お姉ちゃんの、お通りだ~っ。瞬(しゅん)、時(とき)、控えおれ~!」
って大声出してから、自分の部屋まで行くことにしたんです。そしたら・・・」
「そしたら?」
茜と小雪が声を揃えた。
「もう、なんで、そんな興味津々なんですか~。・・・そしたら、ですよ。ドア
が細く開けてあって、そこから二人が覗いているんです・・・・。
『無礼者!』
って、私が怒鳴ってやったら、
『すき間から覗き見するのは、許されていることだ』
なんて・・・・・もう・・・・」
「あははは・・・。さすがの御仮屋さんも、姉弟(きょうだい)ゲンカでは、
二人の弟連合の前に、形無しなんだ・・・・。
うん、いいよ、御仮屋さん。姉弟ゲンカに負けた夜は、私のとこに泊まりに
来なさい。ベットに一緒に寝よう。そして私は、実の弟さんたちすらも惑わす、
御仮屋さんの魔性のボディを、一晩じっくり堪能するノダ・・・・」
「もうっ。水溜さんまで~っ・・」
「てへっ」
「よ~~しっ。楽しそうなお話を聞かせてもらったところで、玉ねぎ抜き
グラタンを、オーブンにセット完了。あとは焼き上がるのを、待つだけ。
さあ、もう、飲もう、飲もう。」
茜が、提案した。
「田所さん、ありがとうございます。御仮屋さん、運ぶの手伝ってね」
もちろん、タダモトも「お手伝いしたい」という表情だ。
(つづく)
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