第七章「女三人+犬一匹」⑱
台風の影響で、曇り空。おかげで、暑さも一段落。
おまけに、お隣の家の屋根普請も、本日はとても静か。
久しぶりに、快眠できました。
さて、7月中に忘れてはいけないこと。
株式の配当金、受け取りに行かねば・・・。
2,3日、今日のように暑さが和らいだ日が続くと、いいのですが。
さあ、愛しのヒロイン・むっちゃんにも、せめて真夏のシーンまでは迎えて
頂きたいと・・・・。
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第七章「女三人+犬一匹」⑱
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「御仮屋さん、どうです?、等身大ポスターなんて、作ってみませんか?」
なぞと、話しかけてくる。
「等身大ポスター・・・ですか?」
と、睦が首をかしげれば、
「そうなんです。ほら、うち写真館ですから、もちろん成人式とかのポート
レートもやっていますから。ばっちり、きれいにお撮りします。それを、思い
切って等身大ポスターにして、売り出してみるんですよ~っ」
と、勢い込んで説明してくれる。
「・・・・あの・・・・。そんなの売れるんですか・・・・」
「大丈夫。だから、私は、御仮屋さんに密着取材をさせてくれって、いつも
お願いしているんです。小柄でかわいいくせに、実は古武道の伝承者である、
御仮屋睦を一目見てみたく、紫尾にやって来る、という人の流れを作るんで
すよ。そして、そんな人のお土産は、やっぱり等身大ポスターしょ」
「そんなぁ~~、それじゃあ、私、まるでアイドルじゃないですか・・・」
「そう!限りなくアイドルに近く、しかし、身近に会える存在。これからの
観光は、やっぱり『人』が重要な要素になるんですから・・・」
いつも、桐嶋はこんな感じだ。
「ふふふ・・・。桐嶋さんは、睦ちゃんをプロデュースしたくて、うずうず
しているのよ・・・。睦ちゃんも、大変よね~」
「そうそう、テレビで『遊びに来てください』なんて、言っちゃたんだから、
紫尾へ行って、武家屋敷街の試心館に行ってみても、会えなかった・・・・
じゃあ、申し訳ないわよね・・・」
「はい。平日は無理としても、出来れば土日は、なるべく道場にいるよう
にしたいと思っています・・・・」
「あらあら・・・・・、それじゃあ、誰かさんと二人きりでデートなんて、
出来ないじゃない?」
「あっ、茜さん。睦ちゃんは、一人の彼氏とお付き合いじゃなくて、たく
さんのボーイフレンドに囲まれた“館主さま”になるのよ、きっと。
ね?、睦ちゃん」
「おっ、それはそれで、楽しそう・・・」
ふと、睦は自分の胸中にある、心配ごとを口にしたくなった。
「あっ、あの・・・。でも、男性って、みんながみんな、“やさしい”
わけじゃないですよね。『女のくせに、生意気だ』なんて、勝負を求められて
きたら、どうしよう?って・・・・」
「そうか・・・・。確かに『道場やぶり』って、やってきそう・・・」
(つづく)
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