第八章「新米館主、お見合いする?」⑮
う~~~ん、でも、これって、
天からの、せめてもの“慈悲”?
(結局、『電力不足』という事態は回避されたような・・・)
いやいや!。
でも、これからは『コメ不足』の危機が報じられるようになる
ノデショウカ・・・・・・。
笑いたい方は、どうぞ私を笑ってくださいませ。
私が、できること。
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第八章「新米館主、お見合いする?」⑮
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m)
漆黒に染められた剣道着姿で現われた、その男性こそ、確かにタツばあさん
が睦に紹介しようとしている、息子・平手慎三郎(ひらで・しんざぶろう)で
あるのだろうが。
それにしても・・・・。
睦が持つ“引きこもり”のイメージは、『日照不足で色白、運動不足でブクブ
クに太った肥満体』なのだが。
現われた男性は、たしかに色白で、この初夏といってもよい太陽の陽射しに、
目をショボショボさせているのだが、その体形は、剣道着の上からでも、きちっ
と均整がとれているのが、見て取れる。おまけに、右手にはどうにも重たそうな
“素振り用木刀(?)”を手にしている。
(えっ!?)
と思ったものの、今は睦自身、技を披露している最中だ。
頭上で回していた棒を、
「ヤッ!!」
という気合とともに、打ち下ろして、地面スレスレで止めた。
再び、棒を背中に隠すようにして、一礼。
拍手がおこる。「ワンッ!」という吠え声は、タダモト。
「ふ~~ん、無骨な新納流に、むっちゃんは色っぽさを加えてくれたの・・・」
とは、じいさんだ。
そして、
「素敵!、御仮屋さん、素敵よ。
ちょっと遅れちゃって、ごめんなさい。これが、私の息子・慎三郎」
と紹介してきたのは、もちろん、タツばあさん。
睦は、タツばあさんとその息子という二人に、改めてさっと礼をしたのだが、
その息子とやらは、かるく顎を動かしてみせただけだった。
(つづく)
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