第十章「新米館主、後輩を得る」⑦
なんの脈絡もございませんが。
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第十章「新米館主、後輩を得る」⑦
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「あ・・・・、あの。もうしばらく、この姿勢でいてくれませんか?」
睦と祝子が、抱き合うようになった瞬間、祝子が言ってきた。
「・・・うん?。いいよ」
と、睦は言ったものの、
(なに!?。これって・・・・、“禁断の関係”?????!)
祝子が睦を抱く力が、グッと増した。
「あの・・・・・。こんなこと・・・・・、しゃべっちゃうと嫌われると
思うのですけれど・・・・」
そこで、ドアを「コツ、コツ」と叩く音がした。
正直なところ、睦は「助かった!」と思う。
「ちょっと、ごめんね」
と、祝子の腕をほどいて、ドアを開ければ、瞬だ。
「持ってきたよ」
「うん。ありがとう」
という会話の直後、弟・瞬が、姉・睦を、グイっ!とドアの外へ引きずり
出してきた。
「な、なによ!?」
「それは、こっちのセリフ。
なんで!、“呪いの美少女”が、うちに、来てるんだよっ!!」
「はぁ?その“呪いの美少女”って、なに?・・・」
「姉ちゃん、知らないのかよ~っ・・。あの子に、ナンパ目的で話かけた
男子は、ことごとく、その後大怪我をしたんだぜ。いじめようとした女の同級
生も、その後、ことごとく、不幸に遭った、って。これは、事実だぜ」
「 Even the hunter will refrain from killing the bird that has flown to
him for shelter・・・・」
「えっ?」
「『窮鳥懐に入れば、猟師もこれを殺さず』・・・ってね。私にとっては、大事
なお客さんなの。って、瞬。アンタ、一応理系でしょ。もっとマシなことに、脳ミソ
使いなさい」
それでも瞬は、きちんとココアを淹れてきてくれた。カップが2杯と、クッキー
入り小皿が載った盆を、受け取った。
「・・・・うん。いざ、となったら、瞬を呼ぶから。頼りにしてるよ、わが弟」
弟・瞬にウィンクひとつして、睦は自室の方向に向きを変えた。
(つづく)
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