瀧羽麻子著『株式会社ネバーラ北関東支社』
コンビニ店員時代、夏祭りといえば「売り上げを伸ばすチャンス」であって、
せいぜい「忙しいっす」と思う機会であって、いつのまにやら、それを「楽しい」
なんて思う機会は、喪失しておったのですが。
それでも、もう10年以上昔のある夏の鶴翔祭。踊り大会の会場となった本町アー
ケード街を、当時付き合ってくださった女性の手を繋いだ歩いた記憶って・・・・・、
うん、甘酸っぱい思い出なり。
それこそ、“誰かと行く”ということでも無ければ、ここら首都圏の夏祭りなんて、
「人ごみがスゴイ」という感想しか、出てこないかもしれませんが。
ふと眺めてしまった、夏祭りのポスター。
さて、自分がほのかに書きたい・・・と薄らボンヤリ思っていることなぞ、
実は、とうの昔に“書かれてしまっている”ようで・・・_| ̄|〇。
・瀧羽麻子著『株式会社ネバーラ北関東支社』(幻冬舎文庫)
この瀧羽麻子さんという方、「1981年、兵庫県芦屋市生まれ。京都大学卒業」と
のこと。ゲッ、これってモロ“芦屋のお嬢様”ってこと?
(瀧羽さんは、京都大学を舞台とした作品の方が有名?であるかな・・・)
そんな方が書かれた『株式会社ネバーラ北関東支社』。
「納豆さえ食べていれば万事大丈夫だと信じていて、西洋医学に頼ろうとしない
傾向があるらしい。患者だけでなく医者もそうで、薬と一緒に納豆を処方したりす
るそうだ。」
という北関東のある町が舞台。
「納豆」と聞いて、思い浮かべるのは、やっぱり茨城県?
東京への“憧れ”というか、“距離感”というべきか。
毎朝超満員となった通勤電車が“東京”へと向かっていく、首都圏のベットタウン。
たしかに“東京なんて、すぐそこ”ではあっても、中高生にとっては、気軽に
行ける距離ではない・・・・。
鹿児島くらい遠く離れてしまうと、まず現実的な都会といえば、「福岡」、「大阪」
であって、「東京」となると、もうちょいハードルが高い?・・・
東京まで「特急に乗れば二時間足らず」の町は、また違った空気がありそうです。
(いくらなんでも、現実はそんなに“のんびり”している、とは思わない、ですが)
これで、具体的に「茨城県石岡市」なぞと書いてしまうと、
“いやいやいや、ちがう”ということになるのでしょうが、
いかにも“北関東のどこかにある町”を、読者にイメージさせる。
小説は、楽しいです。
コメント