『不完全ナックル』十階堂一系著
かなり偏ったジャンルの読書好き+ブログ書き
な人間にとっての、ひとつ大きな欲求。
押忍!誰よりも早く、自分が見つけた作品を紹介したいっ!!
で。八重洲ブックセンター丸井柏店にて。
平積みされているのが目に入った瞬間は、題材は野球?と思って
しまったのですが。
・『不完全ナックル』十階堂一系著、メディアワークス文庫
【紹介文】
空手系暴力女子だった過去を遠い彼方に葬り去り、夢にまで見た文化系
女子ポジションを獲得すべく日々奮闘中の女子高生・雅野京歌。
しかしそれなのに、京歌は何の因果か素人ばかりの空手部の創部に付き
合わされてしまうことになって……。
やる気はあるけど軟弱な部長にカラオケ要員系元気ガール、心優しきヤ
ンキー娘に果ては名参謀としてならした病弱軍人娘まで!?
個性豊かすぎる仲間たちに囲まれた京歌は、あくまでも文化系女子への
道を歩み続けるのか、それとも――。
ゆるっと本気な青春+部活ストーリー!
押忍!ブックカバーがなければ、電車内ではとてもじゃないが読めない、
オジサンですが。
押忍!自分、はるか昔、高校空手部員でした。
押忍!生まれて初めて(というのは、大袈裟ですが)、
熱く読ませて頂きました。
一部、作品中から引用させていただきます。
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何もできない自分を変えるために、新しいことをはじめようと思った。
入学してすぐに配られた部活動のリストに載っていない名前を探した。近場
の高校の部活動一覧と照らし合わせて、花空木にはサッカー部と空手部が無
いことに気がついた。サッカーだと試合をするまでに十一人も集める必要が
あるけれど、空手だったら少人数でもできる。今までの自分とはかけ離れた
イメージを持つ空手という競技は、まさにぴったりだった。
だけど、こんな弱虫なわたしが空手なんて。
みんなにバレないように唇を噛みしめる。力を抜けばそのまま崩れ落ちて
いきそうな足を必死で力ませて、わたしはひとり、自分の弱さを強く責めて
いた。そして、ふと顔を上げて、その先に見えたのは。
「ともー! がんばれー!」
「とも! ファイト!」
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空手の試合時間って、わずか2分間。
自分なんて、いつもアタフタしているうちに、終わっておりましたが。
思わず、当時が思い浮かび、目頭が熱くなり。
彼女たちの“初陣”が、地元の「市民体育大会」というのも、
うんうんうん、そうたい、そうたい・・・。
「あとがき」を読むと、著者の初作品であるとのこと。
たしかに「一人称で視点が切り替わる」文章、混乱するぜ・・・・。
登場する女の子のリアリティを論じてしまえば、はなはだ心もとなし。
とはいえ、確かにこの作品の中に、彼女たちは“実在する”。
オチ。
ふと、なにげに母校のサイトを見てみたら、部活動紹介のページに
「空手道部」はなく。
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