『悪の教典』貴志祐介著
近頃、すっかり映画もしくはテレビドラマの原作を手にする、というパターン
が多くなってしまいましたが。
今回は
・「悪の教典」公式サイト
予告編をご覧頂ければ解るとおり、
「女子高生に向けて、ショットガン(散弾銃)を撃つやつなんて、許せん!!」
という、一心です。キッパリ
え~っと、学園に潜りこんだサイコパス(人格異常者)が、ついにその正体を
表し、大量殺戮の端が切られる・・・という内容、でしょうか。
ホラー?サスペンス?小説を読み慣れている方にとっては、ともすれば「ああ、
またか・・・」という印象をあたえる内容らしいのですが、普段小説なんて読ま
ない人が、手にすることはお奨めしません。
「フィクションは、フィクションとして楽しめなきゃ」という大前提はあった
としても、人の心は千差万別。とってもハードな内容に我慢できない・・・・
という方も、いらっしゃるのでは。
主人公“ハスミン”、己の身を守るためなら、殺人を犯すことすら、躊躇なし。
(あ、あんまりネタバレを、書いてはいけませんね)
その明晰な頭脳を活かして、すべて“完全犯罪”としてきた・・・・。
実のところ、世の中、しょせん「序列社会」。
その中での、自らの“序列”を死守するために、人は意識的か無意識かを問わず、
結構醜悪なことって、してるよな・・・・・
と思いつつ、読んできて。
ところが、完璧であるはずの“ハスミン”の行動に、疑問を持つ人が現れ、
次第にほころびが出始め、・・・・
ついには「クラス全員殺害」実行に、着手する。
このジャンルの作品を読み慣れている方にとっては、このラストの部分が
「な~んだ、『バトルロワイアル』の真似じゃん」と思う箇所のようですが、
命乞いする者、逃げようとする者、戦おうとする者。
それぞれ一瞬のキャラクターのきらめきを残し、斃されていく・・・。
おりゃあ!!、女子高生を殺すヤツは、許さん!!!
決して、自分好みの映画ではないのですが、
一度は観てみようと思います。
(今年たくさんの映画に出演されていらっしゃる、橋本愛さん。
さすがに“殺され役”は、とっくに卒業されていらっしゃるようで)
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