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2013年7月27日 (土)

太宰治『ア、秋』

 勝手なもので、

 曇り空続きだと、真夏の青い空とギラギラの陽射しが欲しくなってしまうのですが・・・、

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 トマトなんて、スーパーの青果売り場では、一年中並んでいるものですが、

 でも、やっぱり完熟トマトの赤い色って、真夏ならでは、ですよね・・・・。

 そして、今夏初めて目撃、

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 鳥に襲われたのか、翅が一枚なくなっており・・・。

  心置きなく、鳴くことは出来た?

 

 そしてそして、家から柏駅までの道すがらの、ある御宅。

 ご主人が、毎日丹念にお手入れをされているお庭にて。

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 あけび?

   ・・・・・で、思い出したのは、太宰治の短編『ア、秋』。

 青空文庫より、一部引用させて頂きます。

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 秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル。と書いてある。
 夏の中に、秋がこっそり隠れて、もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、それを見破ることが出来ぬ。耳を澄まして注意をしていると、夏になると同時に、虫が鳴いているのだし、庭に気をくばって見ていると、

桔梗

ききょう

の花も、夏になるとすぐ咲いているのを発見するし、蜻蛉だって、もともと夏の虫なんだし、柿も夏のうちにちゃんと実を結んでいるのだ。
 秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。僕くらいの

炯眼

けいがん

の詩人になると、それを見破ることができる。家の者が、夏をよろこび海へ行こうか、山へ行こうかなど、はしゃいで言っているのを見ると、ふびんに思う。もう秋が夏と一緒に忍び込んで来ているのに。秋は、根強い

曲者

くせもの

である。

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