『秘境駅へ行こう!』牛山隆信著
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「鉄道遺産」を、未来へ!
先月、彼女と二人で肥薩線・人吉ー吉松間を「いさぶろう・しんぺい」号で 往復しました。スイッチバック・ループ線、トンネル掘削技術が当時と比べれば、 飛躍的に進歩した現代では、もう省みられない線路敷設技術。そして、自分が 子供の頃は、この肥薩線区間を特急・急行といった、熊本ー宮崎間の都市間 輸送を担って走っておりましたが、今は高速バスにその役割を譲り、わずか に一日5往復の普通列車が走るのみ。 ところが、JR九州は“観光路線”としてテコ入れしており、客室乗務員さん が搭乗し、各要所要所で丁寧に解説をしてくださり、各駅では見学のために 長めの停車時間あり。秋の休日の一日、二人でとても楽しいひとときを過ごさせて頂きました。
そんな楽しい思い出の直後であり、この本を目にして、迷わず購入。
・・・・・・・・・・ 本書で取り上げられている、岩泉線、高千穂鉄道はすでに廃止。只見線 は只見ー会津川口間が復旧の見込なし。その他にも、津波被害で寸断され、 全線復旧の見込がたっていない路線がいくつもあることは、ご存じのこと と思います。 先人が苦心の末に敷設し、日々守られてきた鉄路が、次々と廃止されて いる現状に、もどかしさを強く感じた一冊。
☆ひとつ減の理由。 「秘境駅訪問家」からすれば、「いさぶろう・しんぺい」号のような 観光列車での秘境駅訪問なんて、邪道!と一喝、でしょうが・・・・。 でも、赤字ローカル線の秘境駅が存続する秘策といえば、やっぱり “観光路線”化しかあり得ないでしょう。 「秘境駅ランキング」をつけて悦に入る・・・なんて、しょせん“都会人” の“旅人”気取りのひとりよがりでは。 イエ、それはもちろん、わが身のことでもあり。
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スイッチバック駅の大畑駅。
え~~っと、どこをどう通って、奥の山を登っていくんだっけ・・・・
(写真右手の線路を通ったっけ・・・)
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