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2009年7月 9日 (木)

「移出」と「移入」

    遊歩道 覆い尽くすか 夏草や

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  夏草の生命力。
 今朝。信用組合の方が、お手入れをされている向日葵が開花。

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  さて、
『青森県の経済産業事情
     -なにが所得格差をもたらしたのかー』
         (福士隆三著、北の街社、定価1,500円)

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 一応、一晩で最後まで目を通したつもりです。
 『「農業」と「観光」による経済活性化
               -そんなものは幻想だ!』
  という帯コピーが躍る割には、「観光」についての言及が希薄な
ように思いましたが、
 一般の方が思うほどには「観光」による“経済効果”というのは、極めて
限定的である・・・・・・というのを、前提条件にされているのかな~~
というのは、私の推量。

 で、私が、福士先生のおっしゃりたいことを要約すると、
「戦後、日本の高度経済成長を支えてきたのは、モノ造り。より付加価値の高い
モノを海外へ売るというこれまでの日本国のあり方は、これからも不変である。
ひるがえって、地方においても、域外へ、いかに付加価値の高い“モノ”を売る
か?、それが課題である」

  ・・・・デショウカ・・・・・。

 本では、当然のことながら、いろいろな統計資料を示しながら、青森県の経済
産業事情を解読しているわけですが、
 それに則って、ひとつだけ鹿児島県をば。

 平成18年度県民経済計算より
(「国民経済計算ー内閣府」ページより)
 平成18年度(2006年)、
 鹿児島県における
「財貨・サービスの移出」(輸出のようなもの?)額は、
     2,420,815百万円
 対して、
「財貨・サービスの移入」(輸入のようなもの?)額は、
     2,960,690百万円
 差し引きでは、
      539,875百万円
          の移入超。つまり“貿易赤字”状態である。

  この539,875百万円が、どれだけの金額なのかといえば。

  県内総生産は、
   5,323,140百万円であり、
  その10%に匹敵する数字である。
 つまり、鹿児島県から10%もの“富”が流出していることであり、
 こんな現状では、鹿児島県経済は、どんどん疲弊していくばかりである。と。

(自分で元の統計を見てみた身として書かせて頂きます。
 この本で提示されている、統計資料からの読み取りが、“統計学的”に
純粋に正しいのか?という疑問は、付記させて頂きます。)

 さて、福士先生は、
『ここでは移出型企業として最先端を行っている企業、もしくはその可能性を秘めて
いる企業・・・』
 として、青森県内の次の企業を紹介されております。

・氷温貯蔵・熟成のトップメーカー    大青工業株式会社
・試練に耐え再建を果した女社長     株式会社はとや製菓
・国内の主要都市を網羅するサービス業  株式会社イマージュ
・世界に誇る時字とロゴマーク      テフコ青森株式会社

 ・・・・・・・、当然ながら(?)、鹿児島県民である私たちは知らない・・・企業。
(つまり、決して誘致企業ではない)
 必ずしも、製造業とは限らない。

 というところが、鹿児島について考える時の、ヒントであるのかな・・・・??と。

 ちなみに、この本の著者である福士隆三さん、今でこそ大学教授の“先生”なのですが、
 元はといえば、青森銀行の行員さんであるとか。

  で、
  銀行ウーマン・マンよ!大学教授を目指せ!!

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