「移出」と「移入」
夏草の生命力。
今朝。信用組合の方が、お手入れをされている向日葵が開花。
さて、
『青森県の経済産業事情
-なにが所得格差をもたらしたのかー』
(福士隆三著、北の街社、定価1,500円)
一応、一晩で最後まで目を通したつもりです。
『「農業」と「観光」による経済活性化
-そんなものは幻想だ!』
という帯コピーが躍る割には、「観光」についての言及が希薄な
ように思いましたが、
一般の方が思うほどには「観光」による“経済効果”というのは、極めて
限定的である・・・・・・というのを、前提条件にされているのかな~~
というのは、私の推量。
で、私が、福士先生のおっしゃりたいことを要約すると、
「戦後、日本の高度経済成長を支えてきたのは、モノ造り。より付加価値の高い
モノを海外へ売るというこれまでの日本国のあり方は、これからも不変である。
ひるがえって、地方においても、域外へ、いかに付加価値の高い“モノ”を売る
か?、それが課題である」
・・・・デショウカ・・・・・。
本では、当然のことながら、いろいろな統計資料を示しながら、青森県の経済
産業事情を解読しているわけですが、
それに則って、ひとつだけ鹿児島県をば。
平成18年度県民経済計算より
(「国民経済計算ー内閣府」ページより)
平成18年度(2006年)、
鹿児島県における
「財貨・サービスの移出」(輸出のようなもの?)額は、
2,420,815百万円
対して、
「財貨・サービスの移入」(輸入のようなもの?)額は、
2,960,690百万円
差し引きでは、
539,875百万円
の移入超。つまり“貿易赤字”状態である。
この539,875百万円が、どれだけの金額なのかといえば。
県内総生産は、
5,323,140百万円であり、
その10%に匹敵する数字である。
つまり、鹿児島県から10%もの“富”が流出していることであり、
こんな現状では、鹿児島県経済は、どんどん疲弊していくばかりである。と。
(自分で元の統計を見てみた身として書かせて頂きます。
この本で提示されている、統計資料からの読み取りが、“統計学的”に
純粋に正しいのか?という疑問は、付記させて頂きます。)
さて、福士先生は、
『ここでは移出型企業として最先端を行っている企業、もしくはその可能性を秘めて
いる企業・・・』
として、青森県内の次の企業を紹介されております。
・氷温貯蔵・熟成のトップメーカー 大青工業株式会社
・試練に耐え再建を果した女社長 株式会社はとや製菓
・国内の主要都市を網羅するサービス業 株式会社イマージュ
・世界に誇る時字とロゴマーク テフコ青森株式会社
・・・・・・・、当然ながら(?)、鹿児島県民である私たちは知らない・・・企業。
(つまり、決して誘致企業ではない)
必ずしも、製造業とは限らない。
というところが、鹿児島について考える時の、ヒントであるのかな・・・・??と。
ちなみに、この本の著者である福士隆三さん、今でこそ大学教授の“先生”なのですが、
元はといえば、青森銀行の行員さんであるとか。
で、
銀行ウーマン・マンよ!大学教授を目指せ!!
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