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2010年9月 2日 (木)

「乙女の告白」

 ただ今、実家に帰省中。。。。
 といっても、常磐線沿線、我孫子市の典型的な郊外住宅地から、柏市内の
駅前マンションへと、実家はお引っ越し済み。。。。
 当然思うことは、多々あるのですが。なによりも、[空間]に慣れません。
                    で、眠れませ〜ん。

 で、眠れない真夜中に手にしたのが、実家にあった「文藝春秋」九月特別号。
真っ先に読んだのは、もちろん!
 今年の上半期芥川賞受賞作、赤染晶子著「乙女の密告」。

 舞台は、京都の外国語大学のドイツ語学科、その花形ゼミ(?)である、
ドイツ語スピーチのゼミ。先生は、かなり変わったドイツ人教授。ゼミ生は、
すべて女子学生。現実の学生生活から、かなりデフォルメされたであろう、
マンガチックな場面が描かれる。
 そのスピーチのゼミの教材が「ヘト アハテイルハイス」つまり
                           「アンネの日記」。
 「アンネの日記」と言えば、読んだことが無い方でも「ああ」と言える、
ある種の”記号”と化した作品。
 「芥川賞選評」を読むと、あの「アンネの日記」を、マンガチックな場面の
中に取り上げるのはケシカラン!という選評者の大先生のご意見が多いように
思いましたが、
 でも、現実の女子大生って、もっと”たくましく”。「アンネの日記」(もち
ろん、ドイツ語で)を暗記しつつ、悩みつつも〜〜、一方で、授業が終われば、
さっと就職活動にでかけ、あるいはバイト先のコンビニで「いらっしゃいませ〜」
を言うような、生活もあるのだと思います。
 私は、「アンネの日記」をこのような形で作品の題材に取り上げる、作者の
挑戦に好感を持ちながら、読ませていただきました。

 〜〜ですから、むしろ
『〜アンネ•フランクの名前を血を吐いて語らなければならないのだ。」
 という、おそらく作者渾身のラストの一文。。。。
      私は、ちょっと失礼ですが、シラケたな〜〜。。。
 いえ、もちろん、作者は、このラストを書くために、あえて軽いノリで
書き始めるという手法をとった。。。。。のでしょうが。

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