第四章「新米館主、初仕事」⑩-2
春の陽射し。
・・・・って、あくまで“それ”をイメージして。
さて、がんばりましょうか~~
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第四章「新米館主、初仕事」⑩-2
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続いて、アイライン。思い切って、明るいグリーンで描く。
さて、最後に口紅。正直、一番迷った。この「試心館」の屋敷内にも、今が
盛りとばかりに藤の花が咲き誇っている。その藤の花をイメージする色を、口
紅に選びたいと思った。下品にならず、それでいてしっかり存在感を主張する
色。「藤色」と言ったところで、そんな商品名の口紅はない。ドラッグストア、
コンビニをハシゴして、一番イメージに合う色を丹念に探した。「ローズキス」。
鏡に映る、メイクを終えた自分の顔をじっくりと見る。
(うん、今日の私に、合っている・・・)
そして髪止め代わりに、さっと黄緑色の鉢巻を取り出して、頭に結ぶ。
改めて、床の間の前に正座した。
そして、
「Beauty is Force(美は、力なり)
Beauty,
I'm given Courage(私は、勇気を与えられ)
Beauty
I'm taken a Calm heart(冷静な心をもらう)
So, Beauty is Force.」
小さな声で、つぶやいた。
(つづく)
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