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2011年6月 5日 (日)

第六章「ハイヒール、やめた」①

 さあ、さあ、あと一日頑張れば、休みじゃ、休みじゃ・・・
 さっさと帰るぞ!と思った午前1時過ぎ。

 黙々と大量の商品陳列に格闘する夜勤者の姿が、目に入って
しまい・・・・・。
  自分が手伝うべきか、気づかぬふりをするべきか・・・。

  しばし考え込んでしまった10秒間・・・・・。

 今日は「鮎解禁日」だ。
 午前3時までには、ある程度終わっているよう、手伝おう。
(鮎解禁合図の花火が上がるのが、午前4時。その1時間前ほどから、
川のそばのコンビニは、お客さんが増えるのです)

1106051s

 今日の店番は穏便に終了してもらうことを願いつつ。

 さ、愛しのヒロイン・むちゃんにも、頑張ってもらわねば。
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       第六章「ハイヒール、やめた」①
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、右「カテゴリー」内「自作
小説」をクリックしてください。m(__)m)

 「紫尾(しび)市にお越しの際は、御館町(おたてちょう)武家屋敷街に
ある新納流試心館(にいろりゅうししんかん)へ、ぜひ遊びに来てください」
 画面の中で、新米館主・御仮屋睦(おかりや・むつみ)が、テレビカメラ
に向って言う。そして、カメラはさっとズーミングされる。
 「待ってま~す!」「ワンッ!」
 “じいさん”こと新納義彰(にいろ・よしあき)、警察官の大山隆志(おおやま・
たかし)、睦の先輩OLである水溜小雪(みずたまり・こゆき)を入れた四人が
声を揃えた。「ワンッ!」と一声入ったのは、飼犬タダモトだ。
 もっとも、純粋に試心館の関係者といえば、むつみと義彰とタダモトだけだ。
「“紫尾市の活性化”のためなら!燃えます!」というカメラマン・桐嶋誠治(
きりしま・せいじ)が、無理やり登場人物としたのだ。
 だが、確かに桐嶋のカメラマンとしての腕はいい。睦が大山相手に演じた試技
を、きっちりアップシーンも取り入れ、それでいて煩雑な画面転換にもならず、
かなりスピード感のある動きとして、画像に収めてくれた。

 桐嶋が、地元鹿児島の民放局「桜島テレビ」にフィルム(データ)を送った
のだろう。数日後の夕方、地元ニュースの時間枠に取り上げられた。
                            (つづく)

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