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2011年8月24日 (水)

第八章「新米館主、お見合いする?」⑯

 ファミリーマート、今週の新発売商品。
 「おでんらーめん」(一玉120円。具のトッピングは、ご自由に)

110824
 う~~~ん、これなら、カップラーメンの方が・・・・。

 さ、愛しのヒロイン・むっちゃんに活躍して頂くべく。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」⑯
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 「こらっ、慎三郎。御仮屋さんに、失礼じゃない。お辞儀くらい、きちんと
しなさいよ~」
 「いいんだ、おふくろ。オレが、リアルな女は嫌いなこと、知っているだろ」
 そんな親子の会話が、睦の耳にも届く。

 仕方がない。
 「聡くん、ちょっと、この棒、持っててね」
 棒を坂道に預けると、二人のそばへと歩み寄った。
 「おはようございます。私が、御仮屋睦です。平手慎三郎(ひらで・しんざぶろ
う)さん、ですよね。はじめまして。あの、その姿は・・・、剣道をやっていら
っしゃるんでしょうか?」
 「そうなの、そうなの・・。実は、私が御仮屋さんに隠していたの。慎三郎は、
庭に巻藁(まきわら)を立てて、夜中に何時間も、木刀で叩いているのよ~~。
ちょっと怖いくらい・・・・。でも、私だって、御仮屋さんに、本当に慎三郎の
こと、気に入って欲しいな~って気持もあるの、母親だもん。どう?外見だけ
なら、ちょっと青年剣士でしょ」
 タツばあさんが、ここぞとばかりに説明してくれる。

 ・・・・が、当の慎三郎はというと。
 睦を前にして、みるみる顔が紅潮し始めている。
 「おっ、おまえ、女っ臭えな・・・・・」
 確かに、一運動した後の睦からは、それだけ激しく芳香が湧き上がっている。
 「ほ~~、むっちゃんの香りが、わかるか・・・」
 じいさんが、感心する。
 当の慎三郎は、顔面の紅潮を、なんとか取り繕うとしているらしい。
 二,三咳払いをした後、
 「ご、誤解するな。顔が赤くなったのは、あんたに会ったからじゃない。
普段、若い女を見る機会がないから、身体が勝手に反応しているだけだ。単なる
“生理現象”って、やつだ」
 言い訳にならない、言い訳をする。
 (あらあら・・・・・。ふ~~ん、やっぱり、ここは私が、積極的にリード
しちゃって、いいのかしらね・・・・)
 「そう、大変・・・。話は、あとにしましょう。その頭にのぼっちゃった血を
戻すためにも、せっかく愛用の木刀を持っていらっしゃたようだから、私たち
に、あなたの剣の腕を見せてくれないかしら」
 慎三郎は、二十代後半か三十代前半といったところか。二十の睦に、にわか
にタメ口にされて、ちょっとびっくりしたようだが、ろくな挨拶をしなかった
慎三郎に非がある。気にしないふりをするつもりのようだ。
 
 「・・・・・わかった。いいとも」
 慎三郎が応じた。
                         (つづく) 

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