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2011年8月13日 (土)

第八章「新米館主、お見合いする?」⑨

 真夏の快晴。

1108131s
 他の方は、どう思われるでしょうか。真夏の空って、「入道雲が湧いて」と
いうイメージが強いのでは?。

 さて、今日は、いささかなりともの意地を。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、右「カテゴリー」内「自作
小説」をクリックしてください。m(__)m)

 実は、8センチのハイヒールは朝の通勤用になっている。そして、きれいに
見える歩き方、はてまた走り方を、考えながら歩を進めている。今日は「お見
合い」だ。相手と試心館の敷地内をぶらぶらする時に、その研究の成果が発揮
されるはずだ。

 さて、改めて“じいさん”こと新納義彰の屋敷、つまり「新納流試心館」へ
着いてみると、いつもはひっそりとしているところが、今日はなにやらにぎやか
だ。
 (なにかしら?)
 疑問に思いながら、門をくぐってみると、
 (ああ、もうGWなのね・・・・)
 ドライブがてらに、武家屋敷街見物にやってきたのだろう、観光客らしい
者が八人ほど、小さな人だかりを作っている。その人だかりの注目する先は、
この屋敷の飼犬・タダモトだ。
 タダモトは、くるっくるっと小さく円を描いて勢いをつけると、さっと屋敷の
壁に飛びついて、一気に駆け登った。屋根瓦の上を、トントン・・と走って、向
こう側で飛び降りたようだ。しばらくすると、今度は縁側の下から、タダモトが
姿を現した。床下をくぐり抜けてきたのだ。
 「ワンッ!」
 一声、自慢げに吠えたタダモトは、いち早く睦の姿を見つけ、駆け寄ってきた。
そして、いつもの立ち上がっての歓迎だ。睦も、前足を受け止めてあげる。

 「おおっ、皆さん、今日は運がいいですぞ~。
  あれこそは、ここ新納流試心館の新館主、
             むっちゃんこと、御仮屋睦さんじゃ」
 じいさんが、素早く解説を加えた。皆の視線が、一斉に睦に集まった。
 「あは・・・、照れてしまいます・・・・・。
   皆さん、ようこそ、いらっしゃってくださりました」
  照れながらも、なんとか睦は挨拶した。
                           (つづく)
                 

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