第八章「新米館主、お見合いする?」24
秋の空。その2。
さ~~て、わが身にとっての、今週が始まりハジマリ・・・。
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第八章「新米館主、お見合いする?」24
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「照れるでない。照れるでない。
よいかの。それでは、仕切りなおしじゃ。
お互い、深呼吸をして、息を整えて。
・・・・・・・・・・・・・
構えて。はじめ!」
再び、じいさんの合図で始まる。
慎三郎が、照れ臭さを隠すように、猛然と竹刀を振り下ろしながら、突進し
てくる。
(それならば・・・・)
睦は、襲い掛かる竹刀を棒で軽くいなしつつ、前へ出る。そのまま、すれ違う
ように駆け抜けて、慎三郎の背後へ出た。
「おっ、出ましたね。新納流の動き」
相変わらず、カメラのファイダーから目を離さないまま、桐嶋が声を出した。
なるほど、彼はすでに何度か睦にレンズを向け、その動きの特長を把握済みなの
だろう。
ところが、初めて睦と相対した慎三郎は、見失ってしまったようだ。
(こっち、こっち)
睦は、棒で地面をトントンと叩いて、居場所を教えてあげた。
(つづく)
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