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2011年9月26日 (月)

第十章「新米館主、後輩を得る」①

 確かに、近頃は空ばっかり、撮っております。

1109261s
 「休みの日」。ほとんど何も記憶が残らないまま、
過ぎてしまい・・・・。

 さ、また一週間がんばらねば!。

 で、こんな自作小説でも、読み続けてくださる方がいらっしゃると思うと、
張り切ることができます。感謝、m(__)m。
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     第十章「新米館主、後輩を得る」①
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 鶴亀信用金庫のような金融機関は、もちろんGWはカレンダー通りの営業だ。
土曜日の「お見合い」の結果報告を、睦の先輩茜・小雪には、月曜日にするこ
とが出来る。

 月曜日のお昼休み。お昼休みをとる組み合わせは、睦と茜だ。
 「茜さん、じっくりと睦ちゃんに聴取、よろしく」
 と、窓口に残る小雪が、二人へさっと手を挙げてくれた。

 お茶を用意して、二人向かい合って「いただきます」をする。
 「さて。それでは睦ちゃん、聴取参りますからね~。で、どうだった?
御仮屋睦の“ボーイフレンド・ハンティング(狩り)”は・・・」
 単刀直入、茜が訊いてきた。のんびりと昼食を取れないのが、テラー(窓口
係)の宿命だ。急いで食べ、かつおしゃべりも楽しめれば、一人前のテラー
と、茜が以前冗談めかして教えてくれた。
 睦も、必死に食べ、かつきちんと報告するべき努力する。
 「もう・・・・。その“ハンティング”って、なんなんですか~。それじゃ
あ、いかにも、私、男漁りをしてるみたいじゃないですか~~」
 それでも、睦は茜に抗議した。
 「あははは・・。ごめん、ごめん。前に、小雪さんと話したの。『睦ちゃん
は、たくさんのボーイフレンドと、楽しくお付き合いしてもらいたいね』って。
 で。
 その“引きこもり青年”は、睦ちゃんの“ボーイフレンド・コレクション”
に加われそう?」
 「もう、今度は“コレクション”ですか・・・」
  睦は抗議を諦めて、話を進める。
 「“引きこもり”って聞くと、青白くて、ブクブクに肥満した人をイメージ
するじゃないですか。ところが、慎三郎さんは、確かに青白いんですが、肥満
なんぞしていなかったんです」
 「おおっ。それは、意外な“掘り出しもの”ってこと!?」
 「夜中に、一人木刀で巻き藁を叩いて、剣術の修行をしているらしいんで
す・・・・・・」
 睦は、出来るだけ手短に「お見合い」の出来事を、茜に報告した。“パンチ
ラ”のハプニングも、仕方がない、きちんと話した。茜も「そう」「それから?」
と合いの手を入れながら、聞いてくれる。そして、慎三郎が、新納流試心館への
入門を希望したところまで、弁当を食べつつ、なんとか話し終えた。

 「ふ~~む」
 聞き終えた茜は、しばらく考えこんでいる様子だったが、ふと
 「To be, or not to be,that is the question.
       ・・・・・・・
   生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。
 私が知っている、シェイクスピアなんて、これぐらいなんだけどね。
 その剣士ドノと睦ちゃんって、彼が『現在無職』ってこと以外、かなりばっち
りマッチングしているって、ことじゃない?。ううん、『現在無職』って、ことも
睦ちゃんは、まだまだ十分若いんだから、それほど失点じゃないわよね・・・・。
 そっか・・・、他のボーイフレンド諸君、心中穏やかではないわよね~、きっと」
  睦は、大山・桐嶋・坂道といった“ボーイフレンド”の顔を思い浮かべた。
 「あ・・・、私、もっと他の人のことも知りたいです・・・・・」
 「そうよね。睦ちゃんは、それだけきれいなんだから、遠慮なく欲張っていいのよ。
ボーイフレンド全員と、上手くお付き合いして欲しいな・・・・」
  再び、茜は何ごとか考えこんでいる。

 「そうだ。ここはいっそのこと、ボーイフレンド同士みんな、友達になってもら
いましょう!。・・・・そうそう・・・、ここは睦ちゃんの先輩、私と小雪さんの
出番よね。私たち三人で、その睦ちゃんのボーイフレンド達に合コンを申込ましょう」
 「合コン、ですか~~」
 「そう。・・・な~んて、合コン名目の、親睦会よ。ワイワイガヤガヤ、楽しく騒
いで、みんな、友達になっちゃうのよ。睦ちゃん一人だと大変だろうけど、先輩二人
が、ちゃ~~んとアシストしてあげる。さっそく、小雪さんとも相談してみる」
 「あっ、それ、いいですね」
 「でしょ」

 (フフフフ・・)と、茜が意味深な笑みをこぼす。
 「あっ、茜さん、どうしたんですか?」
 「でもね。私だって、合コン、張り切るわよ。人妻の魅力、炸裂~~っ!、てね」
  上目遣いの妖艶な表情を、睦に見せてくれる。
                            (つづく) 

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