第九章「ひきこもり剣士」⑨
ぐっと秋へと・・・・。
夜の帰り道は、「寒い!」の一言。
長袖Tシャツを着込んで、晩酌に。
さて、そんな季節の変わり目を利用しての、
心機一転したこと。
ネットゲーム「戦国IXA」から、引退させて頂きました。
ゲームなんぞに関心の無い方から見れば、
「なんで、そんなに熱中できるの?」
なのでしょうが、店員稼業が嵩じて“人嫌い”となった身としては、
ボ~~ッと時間を過ごせる便利なものでした。
お気に入り姫武将カードとも、サヨウナラ。
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第九章「ひきこもり剣士」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「それって、どういうこと?
う~~ん、私、哲学なんて、完全にチンプンカンプンな小娘なんだけれど、
すこしはお役に立てれたって、自惚れていいの・・?」
「お姫様」なんて呼んではくれるものの、自分よりはるかに年下の睦に、
ペラペラとわが身のことをしゃべるのは、慎三郎のプライドが許さないのだろ
う。久しぶりに英語を使うことが出来る相手が見つかって、慎三郎は単純に
嬉しいのだ、と睦は解釈させてもらうことにした。
「もちろん!!
お姫様。今日は、大いに上機嫌になられて結構でございます」
慎三郎は、ここで睦に向って、深々と頭を下げてきた。タダモトが「なにご
と?」とばかりに、頭を上げた。
「そして、ひきこもり剣士・平手慎三郎より、
お姫様に、ひとつお願いの儀がありまする」
なにを思ったのか、今度は石畳の上で、居ずまいを正して正座だ。
「ちょっと困ります」
仕方がない、睦も石畳の上に正座しようとしたが、
「あいや。お姫様は、どうぞ、そのままに」
と、とめられた。それなら、と睦はベンチに、きちんと座り直した。
慎三郎が、手をついた。
「この私めを、なにとぞ新納流試心館に入門すること、お許し願いたく候」
「えええっ!。入門・・・・・」
睦は、つい声に詰まってしまう。確かに、試心館は道場だ。だから、“入門
希望者”は歓迎しなければならないのだ。
「あっ、・・・ごめんなさい。私、平日は・・・、仕事があるし・・・、それ
は、じいさんに・・・・相談させてください・・・・、ハイ」
睦は、しどろもどろになりながら、答えた。
(第九章「ひきこもり剣士」おわり)
(まだまだまだ、続きます)
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