第十章「新米館主、後輩を得る」⑪
ちょっと憂鬱・・・な気分の出勤途上。
いつもいつも見上げる、太陽と雲が描く空。
・・・・って、世間様では三連休。
秋の行楽シーズンたけなわ!
なのでしょうが、実感ありません・・・。
申し訳ありません。
他にも書きたいことは多いのですが、まず書きたいのは、
拙自作小説。
無敵!愛しのヒロイン・むっちゃん状態、になってしまいつつ
ありますが。
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第十章「新米館主、後輩を得る」⑪
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
結局、祝子を家へ送りがてら、タダモトの散歩にも付き合ってもらった。睦
は、祝子の母にもし見られたら大変じゃない?と思ったのだが、祝子によれば、
「たぶん平気です。母は、この紫尾ではかなりベテラン信者で、いつも仕事が
終われば、勧誘だ、他の信者の悩みごと相談だ、で家に帰ってくるのは、いつも
遅いんです」
「え~。その間、祝子ちゃんは、どうしているの?」
「はい。いつもは、私が母の代わりに家事をする日ですね。土日は土日で、
集会とかありますから、なかなかまとまって家事をする日がないんですよね」
「わ~~、それじゃあ、お買物にも行かなきゃいけなかったとか・・?」
「はい。実は、ちょっとピンチです。コンビニでパンと牛乳を買ったとして、
その言い訳を考えなきゃ・・・です」
「厳しいんだ・・・。そうそう、私と祝子ちゃんの連絡方法って、どうすれば
いいのかしら?。もちろん、携帯って・・・」
「はい、もちろん、携帯は、私持ってません。固定電話は・・・・、母がなか
なか仕事を見つけられなかった時に、解約して・・・・」
「そうなんだ・・・。じゃあ、今日のように、祝子ちゃんが学校帰りにウチ
(御仮屋書店)によってくれるくらいしか方法がないんだね・・・・。そっか、
交換日記しよう」
「わ~~っ、交換日記ですか~~。とっても楽しそうです」
祝子は、大喜びをしてくれた。
・・・・・とはなったものの・・・・・・
一夜明けた、睦の気分は重い。「宗教の問題」であり、なおかつ、祝子と
その母の問題だ。確かに、他人なんぞ「関わらない」のが正しい。「お友達
になろう」と言ったものの、これも私を苦しめるための“呪い”?とも、思
ってしまう。誰かに、じっくり相談に乗ってほしい、そんな気分のまま、制服
に着替えて、今日も業務に入った。
ぼんやりしていれば、うっかりミスにつながる。仕事中は、祝子のことは考え
ないようにして、目先の業務に集中していたつもりだ。
ところが、午前10時過ぎ。
紫尾支店の自動ドアが開き、一人の女性が入ってきた。洋品スーパーで売られて
いるような、既製の事務服に身を包んでいる。典型的な、ここ紫尾地区の中小企業
に勤める事務員の出で立ちだ。
「いらっしゃませ」
と、睦は挨拶をするため、頭を上げた。
(わっ!。祝子ちゃんの、お母さんだ・・・・)
睦は、緊張した。
(つづく)
今日で、この章を終わりにしようと思ったのですが・・・・・
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