« 14日は、四国に行きます! | メイン | 「撤退の農村計画」 »

2011年10月11日 (火)

第十章「新米館主、後輩を得る」⑬

 月夜の晩。

1110111s
 ・・・・・今週は、夜勤に入っています。
 したがって、今夜の店番は午前0時から。
 午後5時から始まる日よりも、7時間分だけ「休み」を有効利用
できるはずなのですが・・・・。
 なんなんだろう・・・・、この無気力っぷり。
              (って、いつも書いていますね)

 あっ、それでも『撤退の農村計画』読了。
 ひさしぶりに“硬い本”を読みました。

 ・・・・と、前向きに考えると、いいことがあるのかもしれ
ませんね・・・・(願望)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十章「新米館主、後輩を得る」⑬
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「はい。祝子さんがお礼を言いがてら、私の家に遊びに来てくれたので、二人
でちょっとおしゃべりをしました」
 (祝子ちゃん)という呼び方をしないよう注意して、睦は答えた。さすがに
(友達になろう)と言ったことは、伏せておいた方がよいだろう。
 「ふ~~~ん。抱き合ったり、してない?」
 「えっ?!」
 睦は、びっくり仰天だ。
 「ふふふ・・・、あ~ら、図星なの・・・、こりゃあ、失礼したわね。あなた
みたいなムチムチな身体に抱きしめられたら、娘の祝子だって、ドキドキしちゃ
うでしょうね・・・・・」
 祝子の母は、間を空けた。
 「御仮屋さん、信仰の邪魔をする者には、大きな『お報せ』があるって、知って
いるわよね?」
 「はい、祝子さんから聞きました。でも、それって、“脅し”ですか」
 「あらあら・・・、“脅し”なんて。『お報せ』って、私たち人間が下すも
のじゃないの。それが大きいものか、小さいものとなるのかは、誰も知ることは
できないの・・・・・。怖いと思わない?」
 「いいえ、怖くありません。私と祝子ちゃんは『お友達になろう』って、約束
しましたから」
  ここで睦は、あえて口にした。『お報せ』とやらをちらつかせれば、睦ごとき
小娘なぞすぐ怖がる・・・と思っている相手に、一矢報いてやろう。
 「ふ~~~」
 意外な睦の反応に、祝子の母がため息をつく。
 「祝子も、反抗期なのかしらね・・・・・・。今まで女手ひとつで育てて
きたけれど、手がかからない子に育った、と思っていたんだけどね・・・・・」
 いっとき、“母親の顔”が睦には見えたように思う。

 だが、祝子の母は、ふたたび表情を変えた。
 「『お教え』では、人の一生において、邪悪な『天魔』が三度現われて、
信仰が試される、って言われているの。祝子にとって最初の『天魔』は、当然
“男”だと思っていたんだけど、あなたみたいな女だとはね・・・・・・」
 「私が『天魔』ですか~」
 睦は笑っていいのか、怒ってよいのか、よくわからない。
 「そう。・・・・正直なところ、これが“男”なら、怒鳴って追っ払って
やるつもりだったんだけど、あなたみたいな外見の持ち主じゃね・・・・・」
 祝子の母は、しばし黙り込んだ。
 「・・・・・・うん、祝子が、より強く“試されている”って、ことかしら
ね・・・・・・」
 改めて、睦めがけて、宣言するように口を開いた。
 「御仮屋さん、祝子とあなたのこと、私は気づかないふりをする。好きに
してみたらいいわよ。でも、あなたにも、祝子にも、大きな『お報せ』がある
わよ。その時は、自分の娘ですもの、祝子は助けてあげるけど、あなたが泣
いて頭を下げてきても、助けないから」
 祝子の母は、立ち上がった。そして、今度は満面の笑みを浮かべながら、
 「あらあら・・・、ついしゃべりすぎてしまって、ごめんなさい。御仮屋さん、
仕事中に御邪魔して、失礼したわ」
 さっと軽く頭を下げると、さっさと支店から出ていった。

 「ふ~~」
 睦は、ため息をつく。確かに自分は、関わるべきでないことに関わってしまった
ようだ。それでも、
 (よ~~し。仕事、仕事。頭、切り換えなくちゃ)
 「ごめんなさい。御仮屋、仕事に戻ります」
 支店内の全員に聞こえるよう挨拶をして、睦は窓口に戻るため、急ぐ。
                 (第十章「新米館主、後輩を得る」、おしまい)
                          (いや、まだまだ続きます)

  ・・・・・・さあこの後の展開ドウスル・・・・・・
                    

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/190585/27260851

第十章「新米館主、後輩を得る」⑬を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

プロフィール

フォトアルバム

ごろごろ

最近のトラックバック