第十二章「合コンは、決戦?」⑭
暗くなってから、外出。
さ、今週も始まり、はじまり・・・・。
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第十二章「合コンは、決戦?」⑭
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「第一の種目は、『飲み比べ』じゃ。単なる早飲みじゃなく、どれだけおい
しそうに飲めるか、で勝負じゃ」
さっと庭先に小机が用意される。そして、大ジョッキと大瓶のビールが用意
された。
「さ。女子衆」
「はい」
手を挙げたのは、女性陣の主将・田所茜(たどころ・あかね)だ。今日の
女四人は、たしかに薄着だ。その上に、ビールを飲んでしまえば、かなり身体
が冷えてしまうだろう。ところが、茜は「少しぐらい酔っ払って、ハイにさせて
ね。私だって、根はシャイなんだから」と言って、『飲み比べ』を提案したのは、
茜本人なのだ。
「次、男衆」
「はい」
出てきたのは、カメラマン・桐嶋誠治だ。ここで飲んで、酔っ払ってしまえば、
後の種目に響く。女性陣・男性陣四人のうち、上手い具合にそれぞれ一人が、未
成年の高校生。残り三人のうち、誰が飲むか。駆け引きの妙だ。
男性陣は、老舗写真館の若手後継者である桐嶋を選んだ。会合等に出席する機会
が多く、最も“飲み慣れている”人物なのだろう。
その桐嶋は、ポケットからやおらアルミ製の小さいボトルを取り出す。「飲む
前に飲むと、効果的」というウコン飲料だ。フタを開けて、ぐいと一息で飲み干す。
そして、もう一本を取り出した。
「田所さん、どうですか?」
対戦相手にさしだす。
「いらないわ」
茜は、ニコッと断る。
「お母さ~んっ!、がんばれ~っ!」
「ママ~っ!」
という声は、茜の二人の子供だ。
(つづく)
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