第十二章「合コンは、決戦?」29
日曜日。工事は休み、
ということで、狭い水面に集まってきた鳥たち。
・鎌倉レ・ザンジュ
さんから。「対・ご近所の方バージョン」
「ご挨拶の品」を選ぶのに、一番悩んだのは、実はこの「対・ご近所の方」品。
“そこそこ日持ちして、そこそこ豪華に見えて”
“それでいて、予算ひとつ500円程度”(←これ、けっこうシビアに大事)
スーパー紀伊国屋さんのオンラインショップで、この予算で買い揃えられる品物
が多く並んでいたのですが、
う・・・・・・ん、まあ、自分、本籍地だけは今でも鎌倉だから・・・・。
(お正月セール、というのもされていましたから)
さ、今日も大急ぎで。
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第十二章「合コンは、決戦?」29
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「そう、睦ちゃんの好きな言葉。祝子ちゃん、考えてごらんなさい・・・。
なにも女である私たちが、筋肉もりもりの男になる必要はないの。女は、美しく。
的を射なければ、なんて思わなくていいのよ。・・・・・
まず、美しく弓を弾いてみて。そして、周りの人の心をぐっと撃ち抜いて。
祝子ちゃんなら、できるわ」
小雪と茜は、祝子の緊張をほぐすよう、抱え込んだまま、ゆっくりと説き聞か
せている。
「私も、仲間に入れて」と、睦はつい思ってしまう。
「ねえ!、祝子ちゃん」
睦は、声を出す。少しぐらいの“反則”は、見逃してもらおう。
「祝子ちゃん。矢が山なりに飛ぶように、弓を使ってみて。まっすぐに飛ばす
より、飛距離は伸びるわよね。物理の授業で、教わったよね」
「も~~う、睦さん。私、学校の成績が悪いのは、知ってるくせに~~」
緊張しているはずの祝子が、笑顔で返してくれた。
「そうそう、その調子!」
「いい?、祝子ちゃん」
「はい、ありがとうございます。小雪さん、茜さん」
「よぉ~し、それでは・・・・」
「合言葉は・・・」
「"Beauty is Force" 。美は力なりっ!!」
小雪、茜、祝子の声が揃う。睦は、なんとなく“仲間はずれ”にされた気分だ。
(つづく)
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