『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯島和一著
北風ピュ~ピュ~、う・・・・・、
寒い・・・・・・。
ですが、気がつけば。
アパートから柏駅の道すがらでも、梅の花があちこちで咲き始めております。
で、本日も勤務入り。
こちらも気がつけば、月の出。あれ?今夜は満月?
ということは「大潮」か~・・・・。
(大潮となれば、海の干満が激しい。
ということは、川の水位にも影響する。
で、仕事はちょっと緊張する
という論法です)
さて本題。
・『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯島和一著、小学館文庫
えっ、もう20年前?
鹿児島県鹿児島郡十島村宝島にて。
“移動図書館”という木箱が、村営船「としま」でひと月ごとにやって来て
おりました。(中身は、毎月代わりながら、ですね)
あるとき、何気なくその中から手にした一冊がこれ。
読んでみたら、モロ宝島が重要な舞台な作品でした。
・・・・・あれから幾年月・・・・、
『汝ふたたび故郷へ帰(ら)ず』とタイトルを覚え違えたものの、
再び目にする機会がなく。もう二度と読むことは出来ないのかな・・・と思って
いたのですが、意外や意外。
Amazonにありました~!
しかも、文庫本になっておりました。
で、20年ぶりに再読。
宝島の場面は、記憶よりも少なく。
これって、一度はアル中(アルコール中毒)に陥ったボクサーの、復活ストーリー
なのであるな・・・・。
近頃は、すっかりクラッシク音楽を聴く機会が多くなりましたが、久しぶりに脳内で
再生されるのはアリスの『チャンピオン』。
(♪つかみかけた~ 熱い腕を~ ふりほどいて♪デスネ)
いや、ボクシングと一緒にするのは大変おこがましい限りですが。
宝島に住んでいた頃、私、自称「空手家」でした(爆笑してください)。
今思い返せば、ひたすら「ナニ、バカなことをやっていたのやら・・」なのですが、
「全国オープン・トーナメント○○大会」とやらに、本土に出ては出場しておりました。
(実話)
何の縁もゆかりもない人間と“試合場(ボクシングでは、リング)”に入って、
なぜ闘うのか?
答え。漢は、闘うものだ。
・・・・・という根源的な“血のたぎり”を感じさせて頂きました。
そして、そして、他に収録された短編2本、
『スピリチュアル・ペイン』
『プロミスト・ランド』
も、珠玉の作品でした。
『スピリチュアル・ペイン』
第2次世界大戦中、多くの馬が軍用と“徴用”され、人間以上に還らぬまま・・・・
となったのは、知識として知っておるつもりですが。
愛馬を喪った者の、消えぬ“痛み”を描いた作品。
たまたま偶然、先日「軍馬慰霊碑」を目にしたのですよね・・・・・。
そして、時代背景として描かれるのは“国鉄分割民営化”。
例えば鹿児島県出水市も“機関区のある町”として、国鉄職員という方が多く
住んでいらっしゃったと思うのですが、そんな時代からの大きな転換点だったのかな・・・・
と、ふと思います。
『プロミスト・ランド』
“熊撃ち”。
人はなぜ、他の生物を殺傷するのか?
『~帰れず』に相通じるテーマであるかな・・・・。
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