『いさぶろう・しんぺい』(人吉ー吉松)(3)
私が小学生の頃、もちろんJRではなく国鉄であった頃。
この肥薩線を、急行列車に乗って通った親父が、こんな土産話をしてくれましたっけ。
「きれいに掃き清められた、チリひとつ落ちていないホームを、制服をピシッと着こんだ
駅長が、ツカツカッと歩いてきて、発車の合図をするんだぜ~」。
当時は、国鉄は“赤字垂れ流し”として、批判の槍玉に上げられていた時代。
(一日に数本しか列車の来ない駅にも、駅長のような“お偉いさん”が居て、することと
いえば、駅の掃除だぜ)
という皮肉のニュアンスが篭められていた訳ですが。
矢岳駅。標高539.6m、肥薩線で最も高い場所にある駅。
映画『鉄道員(ぽっぽや)』の世界でしょうか。(とかなんとか、私はまだ観ておりませんが)
守るべき職場として、駅に仕えた方々の息吹を感じられませんか・・・・。
吉松駅待合室に掲げられている、かつてのD51(デゴイチ)の勇姿。
昭和の高度成長期には、近隣の山々から伐り出された木材を輸送する路線でも
あったのでしょう。
(つづく)
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