第1章「新納流試心館」⑧
ふ~~、まあでもここ2,3日はよく眠れております。
まだまだ「電気アンカ」を使用しておりますが、布団の中が
居心地のよい気温になりつつあるのかどうか・・・・?
さてと。
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第1章「新納流試心館」⑧
「私じゃ、だめ?」
睦は、義彰の方に顔を向けた。
「なにがじゃ?」
(じいさん、わかっているくせに~)
「・・・・その~~、・・・・後継者よ。」
「なんのじゃ?」
(もうっ!)
「だからっ、新納流の後継者っ!」
(あっ、言っちゃった・・・・)
・・・・・・・・・・・・
(なに?)
「ハァッハァッハァッ~~」
義彰が爆笑し始めた。
「もう、何よ~~」
「ハッハッハッ・・。いや~、すまん、スマン。時に、そのむっちゃん
のナイスバディ、スリーサイズはいくつじゃ?、フフフ・・・・」
「ヤダ~~っ。私は、真剣に言ったつもりよ。」
「あいや、またスマン。それだけ魅力的な身体には、脂肪がつくべきと
ころにしっかりついておるということじゃろ。子供の頃のようには、身体は
動かんじゃろ。・・・・いいさ。これからのむっちゃんは、持って生まれた
頭とそのナイスバディで、素敵な殿方をゲットして、素敵な嫁さんになるこ
とを目指しなされい。」
「なに、そんな、じいさんらしくもないこと言っちゃって。『強い者が
強いのは当然。物が上から下に落ちるがごとき理は、不要』じゃなかったっけ。
それなら、私のこの!身体でも、相応に強くなれるはずじゃない。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「本当にそう思うか?」
義彰は笑顔をしまい、一呼吸おいて、睦に訊いてきた。
「うん。」
睦はうなずいた。
・・・・・・・・・・・・・・
またまた、義彰の表情は一変。
「そうか、そうか。フフフフッ・・・。それなら、ただ今これより、『
新納流試心館(にいろりゅうししんかん)』の新館主は、むっちゃんじゃ。
そうじゃの~、それなら館主さまはさっそく明日の朝から、館主としての
仕事をお願いしよう。
この道場と表の間と庭の掃除。観光客に見てもらっておるんじゃ、毎日
しっかりきれいにしておかなきゃならんのじゃ。
そして、タダモトの食事。朝夕二回じゃ。ドックフードでは、悲しむぞ。
もちろん、タダモトの散歩。これも朝夕二回じゃ。タダモトは、散歩を
何よりも楽しみにしておるんじゃ。それにこんなジイサンのお供よりも、
むっちゃんのようなお嬢様のお供の方が、タダモトも嬉しいじゃろ。
よろしくのう。」
(!)
(しもうた~っ!、私はじいさんの口車に乗せられてしまったんかい!?)
ふいにタダモトが立ち上がって、尻尾を振りながら、睦の足に頭をすりよせ
てきた。「嬉しい」の意志表示だ。
睦は、仕方なしにタダモトの頭をなでて、応えた。
(つづく)
とりあえず第1章はおわり。次章へ、デス。
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