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2011年2月26日 (土)

第二章「新館主の朝」⑦

 深夜の街に、ぽっかりとお月様。

1102261s
 ふ~~、久しぶりの午前3時帰りデシタ・・・・。

 さ、出勤前のあわただしさ・・・。
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  第二章「新館主の朝」⑦

 「ふふ、早い者勝ちよね。おはよう、睦ちゃん。新人さんが、もう
“遅刻”ですか~?」
 「茜さん、おはようございます。・・・いえ、ちょっと早起きして、
いろいろあったもので・・・・。」
 「あらあら、なにそれ?その“早起きしたから、遅刻しました”って。」
 「あっ、いえ・・・、ですから・・・」
 なかなか一言で説明するのは、難しそうだ。
 茜に続いて睦も肉まんを買って、二人はコンビニを出た。
 「もうあわてても仕方がないわよ。私の車の中で食べてから、行きまし
ょう。」
 二人は、運転席と助手席に座った。
 「はい。塩豚まんは、半分こしよう。」
 
 田所茜(たどころ・あかね)。小学生の娘と幼稚園児の息子の二児
のママさんだ。鶴亀信用金庫は、結婚を機に一度退職したものの、子育て
が一段落して、嘱託職員として職場復帰している。正職員である睦より、
出勤時刻は遅くてよいものの、掃除洗濯、子ども達をきちんと送り出し・
・・などとしていると、毎朝てんてこ舞いなのだそうだ。自分の朝食が
後回しになってしまい、今朝のようにコンビニで、というのも日常茶飯事
のようだ。

 「あらあら・・・。睦ちゃん、なに?その顔の生々しい傷は。」
 茜が気づいて、訊ねてきた。
                     (つづく)

     やっぱり、急げ。

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