第二章「新館主の朝」⑨
あっ、今日から3月ですね。
「寒くなる」と言われておりましたが、それほどまでには・・・。
(って、ただ今遠赤外線ヒーター使用中だったりシマス・・・)
そろそろホワイト・デーの“お返し”を選んで、注文しなければ・・・。
一応“義理チョコ”は頂いておりますので。
う~~ん、〇屋の高級羊羹でも?と思ったのですが、一番小さいヤツは
トコトン小さそうだし・・・・。
休みの一日は、あっという間に時間が経過して・・・。
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第二章「新館主の朝」⑨
「あらあら・・・。そりゃあ、睦ちゃんみたいなかわいい女の子が
水溜りにドボ~ンなんて、世の男どもが見たら大喜びのシーンだったん
でしょうね~。私も、見てみたかったな~~。」
茜は、楽しそうに笑う。
「そうそう・・・、『新納流(にいろりゅう)』だったけ?ふ~~ん、
防犯訓練で『御館町(おたてちょう)の野生児』の血が甦っちゃったん
だね?」
茜の頭の回転は早い。
「・・・はい、そういうことになりますか。」
「いいなあ、わ・か・いって、いいなぁ~。うらやましいな・・・・。
がんばって、ね。」
茜は、一呼吸間をおいた。
「でも、先輩のオバサンとして、ひとつ忠告させてね。
十ン年前は、私にも今のあなたと同じように、ピカピカの新人職員だっ
た頃があったのよ。たぶん今のあなたと同じように、わからないことばっ
かで、職場じゃあ、あたふたするばかりだったのよね・・・・。」
「そんな~、茜さんがあたふたする姿なんて、想像できません。」
「あ~ら、私だって、こう見えても『ミス紫尾』を務めた、若くて
きれいな頃があったんですからね。オッホン」
「いえいえ・・・・。茜さんは、今でもうらやましいくらい、おきれい
です。」
「そう?、ありがとう。で、十ン年たって思い返してみると、それで
もまだまだ当時は、のどかだったんだな~~と思うの。こんな田舎町で
信金の女子職員といえば、それこそ『お嫁さん候補』でよかったのよ。
そりゃあ今でも、そういう雰囲気は残ってるんだけど、でも、今じゃ、
“それだけ”でもいけない時代になったと思う。睦ちゃんには、当時の
私以上のプレッシャーがかかってくるはず。」
睦は、黙ってうなずく。
「見ると、野生児復活も、なかなかハードそうじゃない?。仕事と
両立できるかしら~?って、おばさん、心配しちゃう。でも、私は睦
ちゃんの力になってあげたいから、悩みごとが出来たら、遠慮なく
相談して、ね。」
「はい、茜さん、ありがとうございますっ!」
「さ~て、睦ちゃんの今朝の遅刻の理由は、おばさんのムダ話に
付き合わされたってことで。さ、行きましょっか。睦ちゃん、一応
シートベルトしてね。」
茜は、キーを回して、エンジンをスタートさせた。
(第2章は、ここまで)
わ~~、自分も遅刻だぁ~
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