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2011年4月23日 (土)

第四章「新米館主、初仕事」⑭

 深夜は、久しぶりに土砂降りの大雨。
 一雨降って、温かくなる・・・と期待したのですが、やっぱり
少々肌寒い・・・・です。
 1104231s

 さ~~て。です。
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    第四章「新米館主、初仕事」⑭
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、右「カテゴリー」内「自作
小説」をクリックしてください。)

 「大山さん、最初はちょっと“お遊び”をしましょう。私、小さい頃から
じいさんと遊んできたやつ。」
 睦は、すっと大山の前に右手を差し出した。
 「大山さん、私の手を捕まえてみてください。もちろん、私はそれに捕まら
ないよう、よけますからね。」
 「なるほど。反射神経の訓練ですね。」
 大山も、両手をちょっと引き気味に構えた。

  サッ
 大山の右手がわずかに動いた。
 ところが、睦の手はピクリとも動かない。
 「相手に(つかまえたっ!)と思わせるギリギリの瞬間に、かわすのが
通なんですよ。」
 睦は、にっこりと解説を加える。
 「う~~ん、フェイントにはだまされない、ということですね。」
 大山は、ぐっと腰を落とした。
 (あれれ・・、やっぱり柔道家なんだ~)

  ヒュッ!
 やや大振りに右手が睦の手を狙ってきた。ちょっと動かしてかわした瞬間を、
左手が素早く狙ってきた。
 (おっと!)
 難なくかわしてみせた。

 その時、裏の方から義彰たちが戻ってきたようだ。
 「・・・・そうじゃ。武家屋敷なぞと言うと、家の部分だけを一所懸命保存
しようとするようじゃが、このように“山”も畑も屋敷の一部分なのじゃ。」
 この屋敷の主である義彰が、得意気に説明している。
 「自給自足ですね。梅の実がたくさん成っているようですが、やっぱり梅干し
にでもされるんでしょうか?」
 「そうじゃ、そうじゃ。そうだ、今度梅の実ちぎりをする時には、水溜さん、
また遊びに来んしゃい。」
 睦の先輩・水溜小雪は、なかなか聞き上手のようだ。
 そして、テレビカメラマン・桐嶋誠治はというと、二人のやり取りをしっかり
撮影すべくカメラのファインダーから目を離さないまま、歩いてくる。それはそ
れで感心に値する、プロ意識だ。
 極めつけは、タダモトだ。先導役とばかりに、小雪の一歩前で静々と歩を運ん
でいる。
(まったく、私といる時とは、全然違う態度じゃない・・・)

 「ほ~~、久しぶりに見るの~、そのむっちゃんの道着姿。
                       ・・・・・・
  いやいや、柔道家の大山くんに相手をしてもらうんだから、つかまえられない
よう、身体にピッタリのレオタードなんて、よかったんじゃなかろうかの。」
 「うるさい、じいさん。いいの、これでもちょっとキツイ感じがするんだから。」

                        (つづく)
   わ~~~、だからアクション・シーン・・・・・。

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