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2011年5月22日 (日)

第五章「御仮屋書店にて」⑨

 昨日と同じく・・・・。

1105221s
 でも、本格的な夕立となり、

1105222s
 雨上がる。

 少しでも前進。
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       第五章「御仮屋書店にて」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、右「カテゴリー」内「自作
小説」をクリックしてください。m(__)m)

 しばし続く、キャッチボール。
(ふ~~ん、察しがいいね)
 実はさりげなく、睦は左右の腕を交互に使って、坂道に向ってボールを投げて
いる。坂道もそれを素早く察して、左右交互に投げ返してくる。しかも、睦の
胸元へ、ほとんど逸れずに返ってくる。
 「なかなかやるね」
 「はい、やっぱりバスケも、両手でドリブルが出来るよう練習しました」
 「そうか、それなら“見せがい”があるってもんね」
 睦はキャッチボールをいったん止めた。陽気は、もう初夏だ。ほんのり汗ばん
できた身体が心地よい。

 「さて、お立会い。
 ここにあります、なんのへんてつもない、スーパーボール。
 ところが、愛情をこめて『しっかり帰ってきてね』と呼びかけて~と」
 睦は胸の前で、スーパーボールをしっかり握って、祈る動作をしてみせた。
 「聡君、ちょっとこっち来てね」
 と、坂道を自分の横に来させた。そして、おもむろに
 「行ってらっしゃ~い」
 と、ボールをやや強く店内の床に投げた。ボールは勢いよく床で跳ねて、天井
に届かんばかりに跳ね上がる。床で四回バウンドした後、店内奥の壁に当たった。
そして、勢いはやや衰えながらも、また五回バウンドして、きっちり睦の手元に
戻ってきた。
 「えっ!」
 坂道が、思わず声を上げる。
 「ね。まぐれだと思う?」
 睦は、坂道を見やった。
                        (つづく)

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