第七章「女三人+犬一匹」⑫
「見事な、入道雲!」
と、デジカメを取り出してみたら・・・・・、
「あっ、電池は、コンセントで充電中だった・・・・」
で、あと一晩・・・・・・
気合を入れるために、ちょっと贅沢を。
ガンバリマス!
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第七章「女三人+犬一匹」⑫
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そうなのだ。幸いなことに、“タツばあさん”こと平手達子(ひらて・たつ
こ)自身には、ケガと呼べるほどの外傷もなかったのだが、夫である男性に
迎えに来てもらった彼女は、文字通り「意気消沈」、それまでの元気は嘘のよ
うに、悄然と帰っていったのだ。
「車を運転するの、怖くなっちゃったでしょうね・・・・・・」
「でも、自分で車を運転出来なければ、今までのように、好きに外出できな
いのよね・・・・・」
「そうですよね・・・。私、紫尾信金に勤め始めて、改めて『あっ、こんな
に、お年寄りの方って、多いんだ~』って、思いました・・・・」
睦とて、地元商店街の本屋の娘だ。買物ついでに“茶飲み話”をしていく、
お年寄りの姿には慣れ親しんでいるつもりだったが、午前九時から午後三時まで、
という営業時間の金融機関窓口では、さらにお年寄りの姿が目立つ。
「そうでしょ~、睦ちゃん。やれ、PTAだ、ママさんバレーだ、って、ほ
とんど同じ年代の人たちとの集まりに出てると、ふと、そのギャップに驚くこと
って、あるのよね・・・・」
というのは、茜。
「う~~ん、どう?御仮屋さん・・・じゃなくて、睦ちゃんね・・・。
正直なところ、タツばあさんが来なくなったら、嬉しい?」
と訊いてきたのは、小雪だ。
「いえ・・・。来なくなってしまったら、少し寂しいと思います・・・・・」
「あらあら・・・・、やっぱり、感心」
「さ!。お年寄りのことは、さておいて。
ピチピチギャルの睦ちゃんは、どうなのよ?」
いきなり茜が、話題を変えてきた。
「はい?。あの~~『どうなのよ?』って・・・、なんのことでしょう?」
「あはは・・・。睦ちゃん、茜さんは『“カレシ”は、どう?』って、訊いて
いるのよ~」
「そうそう。睦ちゃんの男関係、先輩二人に白状してしまいなさい」
(つづく)
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