第七章「女三人+犬一匹」⑬
夕立雲の下。
今日も、通り雨がある、お天気のようです。
さ、ガンバラネバ。
しばらく「休み」はナシ、を覚悟しなければならないようで。
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第七章「女三人+犬一匹」⑬
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(えっ!??・・・)
「・・・・もう・・・いきなり・・なんですか・・・」
睦は、つい言葉を失った。
ふと横に視線をそらすと、「伏せ」の姿勢で、睦を見上げるタダモトと目が
合った。
「タダモト・・・・」
つい名前を呼んだ。タダモトも、小さくうなずいてくれた。
その、睦とタダモトの間合いを、小雪が見逃さなかった。
「なんだ、なんだ~!!睦ちゃんのカレシって、タダモトくんか~~!妬いちゃ
うな~~。そうだ!、タダモトくん、いじめてやる~~!!」
やおら小雪は、タダモトの頭を胸に抱え込んだ。そして、ぎゅうぎゅう力を込
めて抱きしめ始めた。
「どうだ!。睦ちゃんの胸ほどじゃないけど、苦しいだろう~っ。さ、どうだ?
参ったか~~」
びっくり仰天しているであろうタダモトだが、さすが紳士だ。そろそろと後ずさり
で逃れようとするが、その程度では逃げることは出来ない。
「ふふふっ。逃がしはしないわよ~。私の胸で窒息させてやるわ~。どうだ、さ?
タダモトくん、参ったか~?」
「く~~~ん」
タダモトが、悲鳴をあげた。
「よ~~っし、降参か」
小雪が、タダモトを解放した。小雪も、確かに力をこめて、抱きしめていたのだろう。
その白い肌が一気に上気して、紅を帯びている。それは、睦ですら、どっきりとする
艶かしさだ。
(つづく)
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