第八章「新米館主、お見合いする?」⑫
ここ数日の雨続きで、川の流れもぐっと勢いが増し。
さ、がんばるぞ~~!!
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第八章「新米館主、お見合いする?」⑫
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m)
「そうでしょ。でも、聡くんなら、棒回しくらい、すぐ出来そうだけれど、
この棒、ちょっと持ってみて」
睦は、棒を坂道に持たせた。
「あっ。意外に重いですね」
棒が、人の手を渡って、それぞれが手にしてみる。
再び棒を手にした睦は、
「さあ。それでは、小さい頃から、じいさん・・・・って、あっ、やっぱり
『じいさん』って、呼ぶね・・・・、新納さんことじいさんと、“遊んで”き
た私が、“棒回し”をしてみますね」
「ちょっと待ってください!。まさか、その格好でするんじゃないですよね!?」
と声を出したのは、桐嶋だ。
「はは、だめですか。ちょっとコスプレみたいかな・・・」
「待った、待った!。ここは、しっかり撮らなければいけません。レフ板を用意
します。新納さん、坂道くん、ちょっとお手伝いをお願いします・・・・」
たちまち、レフ板によって睦が明るく照らされる状態となった。
「あの・・・、私も写真を撮っていいですか?」
という声をきっかけに、観光で訪れた者も、デジカメ・携帯電話等それぞれ持ち
構えた。
「すごく、緊張してしまいます。失敗しても、そこはご愛嬌、ということで、
許してくださいね。さすがに私では、片手でこの棒を扱えないので、両手を使っ
ての“棒回し”を、見ていただきます」
睦は、一礼する。そして、
「はっ」
と、一声気合をいれて、まず右手で持った棒を背中に隠す構えをとる。
(やっぱりハイヒールを脱いで、裸足になればよかったかな・・・・)
(つづく)
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