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2011年9月 3日 (土)

第八章「新米館主、お見合いする?」22

 台風余波。
 風は強いけれど、雨はときおりパラリ・・程度。

1109031s
 昨夜は、出水市内の民家へ強盗が押し入る、という事件が発生。
 “負の連鎖”って、あるんでしょうか・・・・・。

 さ、前向きに。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」22
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 もちろん慎三郎は、剣道の試合のように、間合いをとってじっと対峙する
展開をイメージしていたのだろう、明らかにうろたえた表情をした。だが、
じいさんの言った「ここは『新納流試心館』じゃ」の意味を、すぐ理解した
ようだ。ぐっと腰を落とし気味にして、中段の構えのまま、目をつぶってし
まった。

 (ほ~~、心眼の構えのつもり?通じるのかしら・・)
  睦は、走りながらも、相手を見ることを怠らない。
 (それなら、仕掛けさせてもらうよ)
 睦は、慎三郎の背後に回ったところで、さっと間合いを詰める。
 (剣道の試合じゃないからね)
  「やっ!」
 さっと棒を、慎三郎のふくらはぎを狙って、打ち下ろした。
 ところが、慎三郎は睦の気配を察することができたのだろう、ぱっと前へ
飛んで、睦の攻撃をかわした。
 
 (ほ~~、やるじゃない)
 
 身体の向きを変えた慎三郎は、目を開けた。そして、八双の構えから、睦へ
の反撃を試みる。

 (そうは、させない)

 慎三郎の動きより早く、睦は、空いた胴へ、次の攻撃を放つ。慎三郎は、後に
跳び退って、これも避ける。

 (これは、フェィント)

 三撃目。慎三郎の顔スレスレめがけて、突きを放つ。慎三郎に竹刀を振り下ろ
す間を与えなかった。耳たぶに触れるくらいの位置で、棒をさっと停めた。

 「たあ~~っ」
 「よし!。むっちゃん、一本だな」
 審判のじいさんが、宣した。
                      (つづく)

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