第十一章「合コン、作戦会議」⑥
午前3時半の川端通り。
さすがに平日の夜は、もう開いている店もなし。
さて、今日はちょっと寝坊。
大急ぎで。
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第十一章「合コン、作戦会議」⑥
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
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「もちろん、例えば単純に100メートルを走って勝負しても、私たちに
勝ち目はない」
「そう、残念ながらね」
「ところが、そこにひとつ。走る途中、私たちに有利な種目を混ぜると・・・」
「えっ。そんな有利な種目って・・・?」
睦は、つい引き込まれて訊いてしまう。
「先輩テラー(窓口係)にお任せあれ・・・・」
茜と小雪は、何ごとか手真似をしてみせる。
「ああっ。それ、札勘(さつかん)っ!」
“札勘”、つまり札束勘定。紙幣の枚数を手作業で数えることだ。
「そう!。50枚ならともかく、これが100枚?200枚?・・・」
「いやいや、1000枚だったら?」
確かに先輩二人にかかれば、圧倒的な速さで、かつ間違えもせずに、数えて
しまうだろう。
「まあ、でも、さ。札勘じゃあ、あんまり露骨過ぎて、しらけるわよね」
「うん。そこで、実行委員会の知恵の絞りどころなのよ。私たちに有利な
よう、かつ盛り上がれるような種目を考えましょう」
(つづく)
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