第十一章「合コン、作戦会議」⑦
そうなんです、そうなんです。
今日は11月3日「文化の日」なんですよね・・・・。
ついつい忘れそうになってしまったり。
あっ、でも。
いつもきれいな笑顔を見せてくれる、あるママさん。
顔を真っ赤に上気されて、ご来店。
お子さん二人とアイスを買っていかれました。
「明日が、試合なの」
とおっしゃっていたのですが。
ママさんご自身が、ビシバシ子ども達をしごいていた?
店番の合間に。
「おでん」。
さ、今夜も忙しいのでしょうかね?
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第十一章「合コン、作戦会議」⑦
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「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
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「ほ・・・・。美人三人、いや祝子ちゃんも入れたら四人か・・・、が大活躍
をする場面を、楽しめるわけじゃな。・・・・わしゃ、むっちゃんの得意技は、
すべて心得ているつもりじゃが。小雪さんに、茜さん、特技はどんなものを
お持ちじゃろうか?」
じいさんが、口をはさんだ。
「新納さん、よくぞ、聞いてくれました!」
再び、茜と小雪の声がピタッと合った。
「ふふ~ん。実はですね、今日はちょっと小技をご披露しようと思って、ある
モノを持ってきたんです」
小雪が持参してきたバックを開いた。
「じゃ~~ん」
ろうそくのほのかな灯りの下、取り出されたものを見やる。
「あっ、お手玉ですか?」
「そう、一応、手作りでもあるの」
小雪が、茜に目配せをした。
「さ~て、睦ちゃんに内緒で練習した成果を見せる時が、来たわね」
茜が応じた。
「ちょっと失礼します」
二人は縁側から立ち上がって、庭先にちょっと距離を開けて、立った。
「ふ~~ん。ろうそくの灯りの下で、するのは初めてか・・・。それも、
オツかしらね・・」
二人は、ほの暗いなかでの距離感を、さりげなく把握している。
そして、
「それでは」
「初公開。鶴亀信用金庫紫尾支店秘伝・お手玉」
「参りま~す」
タダモトも、興味津々という面持ちで、二人を見ている。
(つづく)
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