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2011年11月 5日 (土)

第十一章「合コン、作戦会議」⑨

 本日は、自作小説を手がける前に。
 わがDVDコレクションから、宣伝。

1111051s
 先月の帰省の際。読んだ本の中の一冊。
 有川浩著「阪急電車」。
(道中に読む本を選ぶとなると、やっぱり読んだことがある作家の
一冊を・・・・、となりやすいです)

 で、この「阪急電車」。すでに映画化され、いよいよDVD発売、
とのこと。
 う~~ん、手に入れたいぞ、手に入れたいぞ・・・・・。

 ところが、原作を読まれた方は、賛否両論あると思いますが、映画
本編では、ある二人のエピソードが省かれていると。そして、スピン
オフ・ドラマとして制作されたものが、別売りとして発売されると・・。

 2本も買わなきゃならなくなる・・・・・、
                    イヤ、予約して買いました。

 で、さて、自作小説へと。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十一章「合コン、作戦会議」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「ちょっと、ストップ」
 茜と小雪は、お手玉のやりとりを止めた。
 「ふ~~~む・・・」
 「実は、三人でするのは」
 「初めてなの」
 「二人とは、また違って」
 「難易度が高いわね・・・」
 やりとりを止めている今は、なにもそんなに短く会話を区切らなくてもいい、
と思うのだが、それでも茜と小雪は絶妙の掛け合いを続けてゆく。先輩二人、い
つからこんなに息の合ったコンビになっていたのだろうか?
 「もう~。あの~、茜さん、小雪さん、仲間外れにしないで、私も入れてく
ださいよ~」
 「あらあら・・・、ごめんなさい。でもね、テラー(窓口係)って、前はお客
様、後ろからはイヤな上司ににらまれているわけじゃない。それに対抗するため
には、横の連携。つまりテラー同士、本来ならピタッと息が合うのって、必要
なのよ」
 「そう。紫尾支店に、小雪さんが来てくれて、とっても嬉しいのよ。ううん、
仕事の面だけじゃなくて、友達としてもね。そして、友達といえば・・」
 「睦ちゃん。そうね、ここで紫尾支店の三人によるお手玉、初披露。新納さん、
タダモトくん、しっかり観てくださいな」

 「三人だと、投げる相手、受け取る相手、それぞれを見ていなければならなく
なるわね」
 「集中しつつ、広い視野を保つ、ね」
 「あっ、『常に周囲に気配りを忘れず』って、じいさんに教わりました」
 「そっか。お手玉は、古武道でもあるわけね」

 「いいかしら。まずは、三個から。私が睦ちゃんに投げる。睦ちゃんは茜さんに。
茜さんは私に。その順番で」
 「よしっ。それでは、準備はよろしい?。せぇ~の、はっ!」
 「よっ」
 「とっ」
 三人で声を掛け合いながら、調子を合わせる。そして、徐々にテンポアップ。

 「よしっ」
 「ここで四個目追加」
 「さ、お願いします」
 三個が空中にある状態で、残り一個を誰かが手にして、テンポを調節しなければ
なならい。その調節役を、代わる代わるこなしていかなければならない。
 「よっ」
 「はっ」
 「とっ」

 「おっと~」
 「ナイスっ!」
 「まだまだ」

 三人の掛け声が、ろうそくのほのかな灯りの中、小気味よく響く。
                               (つづく)

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