第十一章「合コン、作戦会議」⑨
本日は、自作小説を手がける前に。
わがDVDコレクションから、宣伝。
先月の帰省の際。読んだ本の中の一冊。
有川浩著「阪急電車」。
(道中に読む本を選ぶとなると、やっぱり読んだことがある作家の
一冊を・・・・、となりやすいです)
で、この「阪急電車」。すでに映画化され、いよいよDVD発売、
とのこと。
う~~ん、手に入れたいぞ、手に入れたいぞ・・・・・。
ところが、原作を読まれた方は、賛否両論あると思いますが、映画
本編では、ある二人のエピソードが省かれていると。そして、スピン
オフ・ドラマとして制作されたものが、別売りとして発売されると・・。
2本も買わなきゃならなくなる・・・・・、
イヤ、予約して買いました。
で、さて、自作小説へと。
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第十一章「合コン、作戦会議」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
を是非に。m(__)m
「ちょっと、ストップ」
茜と小雪は、お手玉のやりとりを止めた。
「ふ~~~む・・・」
「実は、三人でするのは」
「初めてなの」
「二人とは、また違って」
「難易度が高いわね・・・」
やりとりを止めている今は、なにもそんなに短く会話を区切らなくてもいい、
と思うのだが、それでも茜と小雪は絶妙の掛け合いを続けてゆく。先輩二人、い
つからこんなに息の合ったコンビになっていたのだろうか?
「もう~。あの~、茜さん、小雪さん、仲間外れにしないで、私も入れてく
ださいよ~」
「あらあら・・・、ごめんなさい。でもね、テラー(窓口係)って、前はお客
様、後ろからはイヤな上司ににらまれているわけじゃない。それに対抗するため
には、横の連携。つまりテラー同士、本来ならピタッと息が合うのって、必要
なのよ」
「そう。紫尾支店に、小雪さんが来てくれて、とっても嬉しいのよ。ううん、
仕事の面だけじゃなくて、友達としてもね。そして、友達といえば・・」
「睦ちゃん。そうね、ここで紫尾支店の三人によるお手玉、初披露。新納さん、
タダモトくん、しっかり観てくださいな」
「三人だと、投げる相手、受け取る相手、それぞれを見ていなければならなく
なるわね」
「集中しつつ、広い視野を保つ、ね」
「あっ、『常に周囲に気配りを忘れず』って、じいさんに教わりました」
「そっか。お手玉は、古武道でもあるわけね」
「いいかしら。まずは、三個から。私が睦ちゃんに投げる。睦ちゃんは茜さんに。
茜さんは私に。その順番で」
「よしっ。それでは、準備はよろしい?。せぇ~の、はっ!」
「よっ」
「とっ」
三人で声を掛け合いながら、調子を合わせる。そして、徐々にテンポアップ。
「よしっ」
「ここで四個目追加」
「さ、お願いします」
三個が空中にある状態で、残り一個を誰かが手にして、テンポを調節しなければ
なならい。その調節役を、代わる代わるこなしていかなければならない。
「よっ」
「はっ」
「とっ」
「おっと~」
「ナイスっ!」
「まだまだ」
三人の掛け声が、ろうそくのほのかな灯りの中、小気味よく響く。
(つづく)
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