第三章「新規顧客=新弟子?」②
冬に逆戻り。
拙作の登場人物を、どいうキャラクターに設定していき
ましょうか・・・・・。さりげなく「智」を描きたいよな・・・。
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第三章「新規顧客=新弟子?」②
そんな“おっかない”先輩・水溜小雪(みずたまり・こゆき)に、「今
朝、水たまりにドボ~ンしちゃったんですよ。それで、ついなんとなく、先
輩に親しみを持ってしまったんですよ~。」とは、言えない。
そしてもうひとつ、御仮屋睦(おかりや・むつみ)が、ついつい小雪を
見入ってしまったのは、小雪のその旺盛な食欲だ。ボリューム満天の手作り
弁当を毎日持参して、それを残さず食べる。“女の子らしく”が、つい念頭
にあり、今日もコンビニで買ったサンドイッチひとつで昼食を済ませてしま
った睦としては、なんともうらやましい。
「あ、あの~、水溜先輩って、食欲旺盛なんですね~~」
と、こちらはつい口が滑ってしまった。
(しまった!)
「あら、そう?。脳ミソを使うってことは、それだけエネルギーも消費し
ているっていうのが、私の持論なの。だから、ダイエットなんて言って、少
ししか食べない女の子なんて、要するに、脳ミソがおトロイ“おバカさん”
なの。・・・まあ、そんなおトロイ女の子の方が、男心をくすぐるようなん
だけどね。」
(げっ、皮肉か・・・?)
と、いきなり小雪が弁当箱を、睦の方に突き出してきた。
「ほら、ひとつ、食べる?私の手作り肉巻きおむすび。そんな、いかにも
“私、食べ足りません”なんて表情されてちゃ、食べてるこっちが迷惑よ。」
(えっ?)
見るからに、おいしそうな肉巻きおむすびだ。
「いいんですか~。・・・・・いただきます。」
睦は、つい手が出てしまった。口に入れると、たしかに絶品だ。
「あっ、おいしいです。」
お世辞ではなく、口に出た。
「そう?・・・・それで、そのおにぎり代。さ、私に話しなさいよ。顔の
その傷といい、今朝の御仮屋さんは、ちょっといつもと雰囲気が違うわよ。
うん、私はいい意味で言ってるのよ。今朝は、なにしてきたの?」
(げっ、そういう観察をするのかい・・・)
「あっ、あの~、ダイエットのために、早起きして、ちょっとジョギング
を・・・・。」
この先輩に根掘り葉掘り訊かれては、たまらない。ここは自分自身が
“おトロイ女の子”を演じて、追求を逃れよう。
(つづく)
でも、本当のところ、女の子のお昼ご飯の標準分量って、
知りマセン・・・・
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