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2012年10月

2012年10月31日 (水)

岡山商科大学はあなたの夢を叶えます!

 こんなチンケな個人ブログに、トラックバックをよせてくださったことに、
限りない敬意を表しつつ。

 ・岡山商科大学

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  いや、ホント。
  「生まれ育った地域のために、仕事をしたい」
   と思う若者たちのために。
               なにをなすべきか

背伸びする、太陽

 西欧では、本日October.31は、「ハロウィン」だとか。
  皆様、すでにお試しとは思いますが、Googleの表紙。

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 やれやれ・・・・。わが身にとって、久しぶりに自室で、のんびりと迎える朝。

  雲ひとつ 背伸びしてみる 太陽か

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 もうひとつ、やれやれ・・・。
 自室に据え置きにしている、ノートパソコン。
  またまた、キーボードからの入力が出来なくなってしまった・・・。
   (以前にも同じ現象があり、その時は、自然に治ったのですが)

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 う~~ん、ノートパソコンって、信頼性がイマイチかな~~と思ってしまったり。
  キーボードだけ、柏駅前のビックカメラで買ってきましょうか・・・・。 

2012年10月30日 (火)

『悪の教典』貴志祐介著

 近頃、すっかり映画もしくはテレビドラマの原作を手にする、というパターン
が多くなってしまいましたが。
 今回は
「悪の教典」公式サイト

 予告編をご覧頂ければ解るとおり、
 「女子高生に向けて、ショットガン(散弾銃)を撃つやつなんて、許せん!!」
                        という、一心です。キッパリ

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 え~っと、学園に潜りこんだサイコパス(人格異常者)が、ついにその正体を
表し、大量殺戮の端が切られる・・・という内容、でしょうか。
 ホラー?サスペンス?小説を読み慣れている方にとっては、ともすれば「ああ、
またか・・・」という印象をあたえる内容らしいのですが、普段小説なんて読ま
ない人が、手にすることはお奨めしません。
 「フィクションは、フィクションとして楽しめなきゃ」という大前提はあった
としても、人の心は千差万別。とってもハードな内容に我慢できない・・・・
という方も、いらっしゃるのでは。

 主人公“ハスミン”、己の身を守るためなら、殺人を犯すことすら、躊躇なし。

    (あ、あんまりネタバレを、書いてはいけませんね)
 その明晰な頭脳を活かして、すべて“完全犯罪”としてきた・・・・。

 実のところ、世の中、しょせん「序列社会」。
 その中での、自らの“序列”を死守するために、人は意識的か無意識かを問わず、
結構醜悪なことって、してるよな・・・・・
                   と思いつつ、読んできて。

 ところが、完璧であるはずの“ハスミン”の行動に、疑問を持つ人が現れ、
次第にほころびが出始め、・・・・

               ついには「クラス全員殺害」実行に、着手する。

 このジャンルの作品を読み慣れている方にとっては、このラストの部分が
「な~んだ、『バトルロワイアル』の真似じゃん」と思う箇所のようですが、
 命乞いする者、逃げようとする者、戦おうとする者。
  それぞれ一瞬のキャラクターのきらめきを残し、斃されていく・・・。
  
   おりゃあ!!、女子高生を殺すヤツは、許さん!!!

   決して、自分好みの映画ではないのですが、
                一度は観てみようと思います。
 (今年たくさんの映画に出演されていらっしゃる、橋本愛さん。
   さすがに“殺され役”は、とっくに卒業されていらっしゃるようで)

 

2012年10月29日 (月)

十三夜の月

 早々と日が暮れる、関東地方の空に、
            十三夜の月が昇ります。

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 さ~て、今夜の勤務を終えれば、ようやく「休み」だ~。
  ・・・・と思いたいものの、
   どうやら、この土日で、私ミスをした、と指摘アリ。
    でも、どういうミスなのか?詳細が不明という、もどかしい状態。
    タテワリ業界の末端・孫請け労働者の悲哀、感ジマス・・・・・。

  とはいえ!さ、気分転換して「休み」のことも、考えたいわけで。

   映画を観に行くぞ~っ!!!

      と、親父が退院してくる予定で、ひと安心?
        いやいや、それを受け入れるおふくろが大変か・・・。

   ちゃちゃと気分転換を、デスネ。
       

2012年10月28日 (日)

自作小説『続 新米館主・御仮屋睦』(10/28)

 スーパーヒロイン・むっちゃんに、水着姿でどう大暴れしてもらおう・・・・

       まだまだ思案中なのですが。

 ・薩摩の東夷 小説一覧

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        駆けっこ(2) 
 「高校生にも、憂鬱なことってあるでしょ。そんな憂鬱なことを忘れるために!。夏には、最高の楽しい思い出を作るのが必要なのよ。で、それってやっぱり、みんなで海へ行く!で、決まりでしょ。ねっ、祝子ちゃん」
 聡は、すっかり行く気になっている。弟・瞬なんぞは、有無を言わせず連れて行く。最大の難問は、某新興宗教の信者・祝子だ。
 「えっ、あの~、海ですか・・・」
 (やっぱりね・・・)
 その宗教の教えに、なんでも『女人、ふしだらな身だしなみをすべからず』というのがあるそうで、水着姿になるなぞ、言語同断らしい。日常生活でも、華美な服装は禁止。今日の祝子は、白地のブラウスに、臙脂色のブリーツスカートという、学校の制服の方が派手じゃない?と思わせる装いだ。
 「祝子ちゃん、どう?最近お母さんと上手くいっている?最近、ちょくちょく紫尾支店にいらっしゃっては、私に『いつも祝子が、お世話になってるわね。オッホホ』とおっしゃっていかれるんだけど・・」
 女手ひとつで祝子を育てる母親は、もちろん熱烈な信者だ。祝子と“お友だち”付き合いする睦なんぞは、忌むべき“悪魔”となる。
 「母は、よくぼやいています。『これが、男にたぶらかされた・・・だったら、どんなに楽だったかしら』って」
 「でも、お母さんは、私と付き合っちゃいけない、とは言わないの?」
 「はい、そうなんです。・・・・母も、学生の頃は、友だちがいなくて、とても寂しかったそうです。あっ、母は、紫尾市の隣、水山(みなやま)の育ちなんですけど、高校生の頃は、授業をサボって、市立病院の中をうろうろして、時間潰しをしていたそうです・・・」
 「・・そうなんだ。・・・ということは、今のところ、私のことは、黙認なのかしら?」
 「はい・・・。母は私に、同じような青春を過ごして欲しくない、とも思っているようで。・・・でも、その一方で、睦さん、ごめんなさい。その母は、睦さんに『お知らせ』があるよう、毎晩お祈りしています」
 「よ~しっ。それならば、祝子ちゃんは、お母さんに自慢できるくらいの、夏の思い出を作ろうよ。祝子ちゃんは、スタイル抜群だから、水着がばっちり似合うはずだからさ・・・。
 タダモト。祝子ちゃんと一緒に海行きたいよね?」
 タダモトが「賛成」の意思表示に、ワン!とひと声鳴く。ところが、弟・瞬が
 「米櫃さん、姉ちゃんが調子いいこと言ってるけど、無理しなくていいから。こう見えても、姉ちゃんが高校生の時なんて、水着なんてトンデモナイッ!だったんですよ」
 なぞと暴露しやがる。
 「え~~っ、睦さんに、そんな頃があったんですか~」
 祝子が驚く。
 「そう。水着どころか、学校で体育の授業がある日は、ブルーになっていたんだから」
 瞬の暴露は続く。
 「えっ、睦さんなら、身体動かすことって、なんでも得意そうだけれど」
 「そう、思うよね。ところが、姉ちゃんはさ・・・」
 瞬は、自分の胸の前に手のひらを持ってきて、上下に動かしてみせる。
 「揺れちゃう胸が恥ずかしい~~ってさ」
 「もう、瞬!。ホント、恥ずかしいじゃない・・・」
  今度こそは、しっかり愚弟の二の腕に、拳を叩き込んでやる。
 「痛っ!」
  そんな姉弟のやりとりを見る、二人は
 「瞬、やっぱり睦さんがお姉さんなんて、うらやまし過ぎるぞ~」
 「お二人の家って、とってもにぎやかそうで、うらやましいです・・」
 とのこと。
 「もう~っ・・・。でも、たしかに、地元に帰って来て、就職できてよかった~と思うことかな・・・」
(私が都会で就職していたら、家族五人顔を揃えるのは時々になっていたのよね・・・)

 「あ・・・あの~、私、しゃべっていいですか?」
 祝子が、ふいに訊いてきた。ちょっと話題を変えるつもりらしい。
 「うん、もちろん」
 「あ、あの・・・です。私、最近、胸がまた大きくなり始めたみたいなんです」
 「えっ!」
 睦は、ついつい祝子の胸元に視線がいってしまう。祝子は腕を脇にどけて、胸をはってみせてくれる。
聡と瞬、そしてタダモトのオス三匹も、つい視線を一点に集中させた後、あわててバラバラの方向に、視線をはずす。
 「私、ガス代節約のために、いつも母と一緒にお風呂に入っているんです。ところがですよ、ある日、母がいきなり、私の胸を握ってきたんです・・・)
 「ちょ、ちょっと、それ、男の子には刺激強すぎるシーンなんじゃない・・・」
 ゴクリッと、オス三匹が生唾を飲み込む音が聞こえたように思う。
 「あっ、ごめんなさい。私、あんまり男の子と、って、しゃべったことがないんで・・・」
 「ううん、いいよ。これも、明るい男女交際って、ことね」
 「・・・それで、母は言ったんです。『祝子、最近、急におっぱい大きくなってない?』って」
 (うわ~~・・・)、睦もついつい頭の中で、母娘の女同士のシーンを思い浮かべてしまう。
 「で・・・、それで、実際のところ、どうなの?」
 「あっ・・・、本当に、胸の奥がちょっと痛いんです」
 祝子は、そっと手を胸の前に持ってきた。
 「・・・・あっ・・・・う・・・、それ、姉ちゃんのせいだ」
 なんとか興奮を抑えたように、声を振り絞ったのは、わが弟。
 「それ、姉ちゃんのフェロモンだ。姉ちゃんが発散する強力なフェロモンが、米櫃さんに影響を及ぼしているんだ・・・」
 「・・・ということは、米櫃さんも、いつしか・・・」
 「私も、睦さんみたいな立派なバストに?」
 「も、もうっ~!!。そうじゃないわよ~~。適度に運動して、しっかり食べて、よく寝る。身体にいい生活をしていれば、自然とそうなるのよ~っ」
 「あっ、それも・・・。『あなた、最近よく食べるじゃない?』って、言われています」
 「そうでしょ。・・・・だから、せっかく、女の子として生まれたからには、女の子として人生を楽しまなきゃ、って、ようやく最近思えるになったの。人生一度っきりの祝子ちゃん十七歳の夏なんだから。もったいないこと、しちゃダメよ」
 「あっ・・・・、はい・・・・」
(そうそう。説得成功?かしら)
「ねえ、聡くんに瞬。祝子ちゃんの水着姿、見たいよね?」
「えっ・・・・」「う・・・・」
 そりゃあ、同級生の女の子を前にして、意思表示しづらいだろうが。
「なに?。はっきりと男らし~く!、見たいよね?」
「・・・はい」「は・・・はい」
「声が小さ~いっ!Do you want to see her swimsuit?(水着姿、見たいよね?)」
「Yes!,sir.(その通りです)」
今度は、二人の声が元気に揃う。
「ね!、祝子ちゃん、二人の男の子のご期待に応えてよね」
「は、はい。わかりました」
祝子も、はっきりと答えてくれた。
「そうこなくっちゃ。今度、二人で(鹿児島)市内まで、水着を選びに行こう」
(祝子ちゃんに、ぴったりの一着を選んであげなきゃね)

                          (つづく)

 

千葉県野田市

 缶詰勤務のリフレッシュのため、ちょっと“息抜き”。

(それを、決して“お散歩”とは、言わないでください・・・)

 東武野田線野田市駅まで。

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 “ひとたび駅に降り立つと、醤油の香りがする”

 というのは、さすがに“昔の話”であることを、確認。

   う~~ん、それでも、香りがするかな・・・・は、気のせい?

 製造工程も往時とは、ぐっと合理化されたはず。工場に勤務する方も、今では何分の一?

 常磐線沿線と比べると、ぐっと“鄙びた”感ある、街並みです。

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  イエ、国道沿いには、郊外型店舗が並び、

  新しそうな建売住宅が建ち並ぶ一角が、あったりもします。


2012年10月27日 (土)

背高泡立草

  今でも、花粉症を引き起こす原因でしたっけ?

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   でも、あんまり鮮やかな黄色い色だったので、つい一枚。

    仕事を抜け出して、ちょっと散歩。

         ・・・・・まだまだ、月曜朝までは、長い・・・・・ですね。

 

2012年10月26日 (金)

お気に入りの場所

 午後4時10分。

 急がないと、日が暮れるぞ~!!。で、大急ぎで、父の入院する病院へ。

 ・・・・・・・あれ?やっぱり、お休み中でした。

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  とってもお気に入りの場所のようで。

 

2012年10月25日 (木)

『ローカル線で行こう!』最終回、え~っ!

 午後4時45分の日没。
 う~~ん、体内時計は、すっかり“西日本型”となってしまった者としては、
え~~っ、もうっ~!!!という感覚。

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 さて。月刊文芸誌って、ほんとマイナーなんだな~と思いますが、イヤイヤ。
自分は、かつて篠田節子著『ロズウェルなんか知らない』を読みたいがために、
毎月諏訪書店に『小説現代』を買いに行きましたっけ。
 そして、またまた『小説現代』。
  はい、今度は、真保裕一著『ローカル線で行こう!』
        ・・・・・あ・・・残念、12月号で最終回ですか・・・・
 (はい、水木由真さんが描くイラストも、楽しみでした)

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 う・・・・・・、ストーリー自体は・・・。
 自分、一応、“元”肥薩おれんじ鉄道沿線住民として、赤字ローカル線
活性化に取り組む人々、応援したくなります。
 という前提の上に拝読したのですが、
  『フィクション』は『ノンフィクション』を越えられない・・・・
                        のかな・・・・。
 この作品の中で、繰り出される活性化策としてのイベントも、すでに
どこかで“聞いたことがある”アイデアのように思えて・・・・・。
 ラストは、産業廃棄物処分場を誘致して、貨物輸送を・・・という
アイデアを描いてくださりましたが、それはそれで、
 赤字第三セクター鉄道が、いまさら貨物輸送のためのインフラ整備が
出来るの?という疑問符が。
(放射性廃棄物処分場誘致案は、まったく鉄道活性化策から外れますし)

 でも、ひとつ、“お若い女性”大好き!なオジサンとして、
     ヒロイン・篠宮阿佐美社長!!!!

 新幹線の客室アテンダント(乗務員)から、第三セクター鉄道会社の
社長に抜擢され。
 “客寄せパンダ”という自らの役割を自覚しつつ、次々と実現して
いく活性化アイデア。
                  カッコイイ!!!
 そして、ラストの“失恋”・・・・。
        篠宮社長に、素敵な恋がありますように・・・・。

  うん。
  ですから、生まれ育った故郷のために、働きたいと思う若者って、
必ずいらっしゃるわけで。
 でも、その意気込みに見合った仕事内容とお給料がある職が、地元
にないのが、最大(!)の問題であって。

 かつては、その受け皿は“お役所”であったわけで。
(いや、実際現職お役人の方に話をお伺いすると、10人中9人は
「そんな地域活性化に貢献したいから、役所に入ったわけじゃない」
と語ってくれるのでしょうが、それでも)

 若い人間に、どう活躍して頂けるか?
 40代の人間が、いつまでも「若者」気分でいちゃあいけないデスヨネ・・・・。
 

自作小説『続 新米館主・御仮屋睦』(10/25)

 夏は、とうの昔に過ぎ・・・。すでに、冬の足音を感じる、今日この頃ですが。

  われらが(笑)スーパーヒロイン・むっちゃんに、ぜひぜひ水着姿で大活躍して

もらいたい!妄想は、衰えず。

  ・FC2小説 薩摩の東夷 小説一覧

 こちらにも、ワードパッドからのコピーを貼ってみます。(長過ぎるか・・)

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   駆けっこ(1)

  「夏休みになったら、みんなで湊大島(みなとおおしま)に、海水浴に行こうよ」
 と睦は提案した。七月の土曜夕方、高校の期末テストは昨日で終わった。高校生の米櫃祝子(こめびつ・いわいこ)・坂道聡(さかみち・さとし)、そして弟の瞬(しゅん)を誘って、散歩中だ。もちろん、大型犬タダモトが四人の前を歩いている。その耳は、しっかり後ろの四人の声に向けられているのだろう、小刻みに動いている。
 「え~っ、海水浴ですか~」
 睦の年下のボーイフレンド・聡が、さっと睦の方に視線を走らせたと思ったら、すっとあらぬ方向に視線を逸らした。
 (ふふ~ん、私の水着姿を想像したな・・・)
 「そう。そして、島でキャンプしよっか。夜は、もちろん花火よね」
 「うん、それ楽しそうです。行きましょっ!」
 聡が、さっそく賛成してくれた。
 (そうこなくっちゃ!)
  ・・・・・ところが、わがシラけた弟・瞬は、
 「おい、瞬。にやけてるぞ。・・・やめとけ、やめとけ。近頃の姉ちゃんは、欲求不満が溜まっているらしいぜ。ストレス解消とかなんとか、ますます長風呂になっちまって・・・。ヤケ食いとか称して、いつもご飯は三杯・・・・」
 「こらっ、瞬!」
 瞬の身体を叩こうとしたが、ひょいと避けられてしまった。
 「そんな姉ちゃんと、海になんて、行ってみろ。それこそ、ストレス解消のおもちゃ代わりだ。海で泳げば、水の中に引きずり込まれ・・・。夜は、肝試しとか言って、暗いところに連れて行かれ・・・・だ」
 「もうっ、瞬!。聡君、大丈夫、わたし、そんなことしないから」
 と言ってみたものの、睦の得意な“泳ぎ”とは、体育の授業で行われるような、タイムを競う競泳ではない。立ち泳ぎで水上に浮かび、そして、ひょいと水中に潜る・・・久しぶりに、そんな“泳ぎ”を楽しみたい。夜の暗がりの中を、視覚だけに頼らずに歩くのも、面白そうだ。
 「あ、あの・・・。睦さん、ストレス溜まっているんですか?・・・」
 「えっ!」
 ふりむけば、祝子が真面目な顔をしている。
 「もうっ~、祝子ちゃん、ちがう、ちがう~っ!。う~~ん、学生の頃には、考えたこともないような・・・、そう、社会人になった憂鬱って、言うのかしら・・・」
 「えっ、社会人の憂鬱って、どんなことですか?」
 訊き返してくるくる祝子は、母子家庭の一人娘で、とある新興宗教団体の信者だ。信者以外の人間と関わることを、とにかく嫌う教義であるらしく、関わる人に「お知らせ」という名の天罰が下るそうだ。祝子自身、「呪いの美少女」という仇名を持っている。ナンパ目的で近づいた男子生徒、いじめようとした女子生徒が、ことごとく大怪我をした・・・と、まことしとやかに語られている。だから、友人として接してくれる睦たちにも、いつか「お知らせ」があってしまうのでは・・・と、心配してくれているようだ。
 「あっ、祝子ちゃん、ぜったい『お知らせ』とかじゃないから、心配しないで。う~ん、例えば私、一応世間様のいう“OL”じゃない。そして、紫尾(しび)みたいな田舎じゃ、それって、普通の人と比べれば、恵まれているわけじゃない。うん、私だって、そのくらい解るよ。ホントのところ、祝子ちゃんだって、私のこと、そう思うでしょ?」
 「えっ、エッ・・・、あの~・・。あっ、私は、お金とか、この世の見せかけの姿に惑わされてはならない、って思います。あ・・、こういうふうに教わっているのだけれど・・・。でも、睦さんは、そんな“OL”とか言う前に、私の“お友だち”だから、好きです」
 祝子は、ちょっと照れたように俯いた。
 「祝子ちゃん、ありがとう。でもね・・、私なんて、会う人会う人から『いいお仕事ですね~』って、言われるわけじゃない。そりゃあ、言われれば、笑って『そうでもないですよ~』って、答えるくらい、私にだって出来るけどさ・・・。『いい給料貰って、うらやましい』って、思われているんだ~と考えると、憂鬱になってきちゃうわけなのよね~。
  ね!聡君。私の憂鬱、わかってくれる?」
 実は、祝子が「好きです」と言った時、一緒に聡まで俯いてしまったのを、睦は見逃していない。
 (ふふ・・、かわいいんだから~。“年上のおねえさん”らしく、ね。聡君にも、しっかり話を振ってあげなきゃ)
 「えっ、はい、オレ、わかります。親父が家で飲んでいる時なんて、よくぼやいています。ほら、うちはローン組んでマイホーム建てたんですけれど、親父の同級生には、まだ市営住宅暮らしという人もいるじゃないですか。だから、同窓会とかで飲むときって、さりげなく家の話題はしないとか、結構気を使っているって」
 「あっ、ひょっとして、聡君の親御さん、鶴亀(信用金庫)のお客さん?」
 「スミマセン。たしか、桜島銀行でした・・・」
 「聡。そこで、姉ちゃんのために、ひとつ、定期預金をポンと。姉ちゃんの憂鬱、その二。今、夏のキャンペーンで、新米OLの姉ちゃんにも、ノルマがあって、大変なんだよな~」
 余計なことを、瞬がしゃべりやがる。
 「ああ・・・・、残念、オレ・・・、ほとんどお金、持ってません・・・」
 聡が、心底残念そうに言ってくれる。無理もない、進学校である紫尾高校では、バイト禁止。おまけにバスケ部員として部活に励む聡には、なかなかお金を貯める機会はないだろう。
 「あっ、私、バイトのお金、ちょっとずつ貯めているから、今度睦さんのところで、口座を・・・」
 と言ってくれたのは、祝子。
 「あっ、いいの、いいの。気を使ってくれて、ありがとう。でも、未成年の若者にまで、お願いしたなんて云ったら、私が怒られちゃう」
  前を歩くタダモトが、振り向いて睦を見上げてくる。
(ふふ・・。タダモト、私、いいお友達、持ったよね~)
                                  (つづく)
 

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