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2011年9月11日 (日)

第九章「ひきこもり剣士」③

 明日が、十五夜ですか。

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 私メにとっては、今夜の店番を終えれば、休み!!。
 う~~ん、今週は脚への負担がオオキイ・・・・。
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     第九章「ひきこもり剣士」③
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 話が、なかなか続かない。それでも、慎三郎はへこたれない。

 「いい匂いだ」
 「うん?。なに?」
 睦は、どこかで花が咲いているのかな、と思い、聞き返した。

 「あっ・・・。あんたの匂いが、だよ」
 「もうっ!!!。私だって、一応女の子なのっ。・・・傷つくよ・・・・。
それじゃあ、いかにも、私って“臭い女”じゃない・・・・」
 「あっ・・・・・あ・・・・・、ごめん。
   “匂い”じゃ、失礼か・・・。うん、いい“香り”だ。
    男にとっては、とても魅力的で、かつ刺激的な香りだ。」
 「自分じゃ、よくわからない・・・」
 「そうだろうな~~。うん、これも正直に言おう。あんたと初めて近くで
面とむかった時、瞬間にして、下半身に疼きを感じた」
 「だからっ!・・・。それじゃあ、いかにも私がエッチな女じゃない・・・」
 「ふふふ・・。怒った顔もかわいいよ。
   そうだな・・・・。そうだ、
    She is clothed good fragrance,
             And,
                 It is to be her armor.
      (彼女が纏う芳香は、彼女の鎧となる)
                  こんな感じで、どう?」
 「あっ。英語、上手いんだ?」
 「あっ、実はオレ、バカにされていたとか・・・。
  オレだって、元予備校の講師だぜ。英語だって、教えていたんだぜ」
 「そうだったんだ。私も、短大は英語科だったの」
 「そうだってね。おふくろから、事前に聞いていた。英語が、好きなんだ?」
 「そう。とっても好き」
 
  やっとこ、二人の会話は、滑らかに進み始めたのだろうか。
                             (つづく)

2011年9月10日 (土)

第九章「ひきこもり剣士」②

 とってもワンパターンだな・・・・・と、自分でも思ってオリマス。押忍!!

1109101s

 昨夜の「間食」。今日は意地でも「おでんラーメン」を食べてやる~~~!!!。

 ふと、寂しく思ったこと。
 Googleで「大浦小中学校」を検索しても、その“廃校”を悼む声って、見つけられ
ないのですよね・・・・・・。
 これが例えば、自分がかつて住んだ青ヶ島・宝島といった離島ならば、島の人口
自体は、横ばい、あるいはジリ貧であっても、“島の小中学校”は、今も立派に
存続しているのですよね・・・・・。
 「半島」と「離島」を分けるものって??

 さ。そこで、わが愛しのヒロイン・むっちゃんに、ご登場願います。

 う~~~ん。
 自分ごときは、やっぱり“引きこもり”平手慎三郎氏を、推したくなって
しまうのですよね・・・・・。
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     第九章「ひきこもり剣士」②
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 取り付く島も無い睦の返答に、慎三郎は明らかに困惑している。「眩しすぎる」
という空に目を上げて、目をショボショボとさせている。
 そして、
 「・・・・・・・あっ、あっ~~。
   そのワンピース、とっても似合ってるぜ。きっと、お気に入りの一着
なんじゃない?。
  ホント、ごめん。破れたりなんかしていない?」
 必死に、話しかけてくる。
 「・・・うん。たぶん、大丈夫。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・、
               ごめんなさい。
  『だから、女は気まぐれで、嫌いだ』
               って、思ってるでしょ・・・・?」
  睦は、なんとか答えた。
 「うん?。・・・いや、正直なところ、
  『ああ・・。これが生身の女の子なんだ~~』
 って思ってる。それを『面倒くさい』って思うより、オレは『楽しいな~』
って、思っているところ」
 「そうなの?」
 「そうとも。
  今どきの女の子といえば・・・・、“ローライズ”って、いうのかい。
 しゃがめば、お尻丸見え状態でも平気の平左、って感じじゃない?。
  恥らうアンタ。オレは、とってもカワイイと思うぜ・・・・・・。」
 さすがに、慎三郎も、無理をし過ぎたのだろう。赤くなった顔を、今度は
アスファルトの路面に、向けた。
 「・・・・・うん・・・・・・・。
                 見たの?」
 「えっ?。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・
    実は、他の人はどうだか知らないが、正直に言う。
              オレは、バッチリ拝見した。ごめん。」
 「もうっ!!!」

 立場は、完全に逆転だ。
 タダモトの耳が、せわしなく動く。
                           (つづく)

2011年9月 8日 (木)

第九章「ひきこもり剣士」①

 日ごとに早くなる、日没時間。

1109081s
 昨日は、バイク通勤の同僚が、上着を羽織って出勤されてきました。
 今年の夏は短かった・・・・・・でしょうか?

 FC2小説で、皆さんの作品を拝読すると、短編小説を量産するという
スタイルが楽しそう・・・・・に思うのですが、

 我は、やっぱり愛しのヒロイン・むっちゃん。
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     第九章「ひきこもり剣士」①
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「・・・・さっきは、ごめん」
 「うん。もういい・・・」

 新納流試心館の館主・御仮屋睦と“ひきこもり剣士”平手慎三郎は、紫尾市
御館町(しびし・おたてちょう)の武家屋敷街を、散歩している。
 二人っきり、と言いたいが、そこはしっかり、大型犬のタダモトが「ぼく、
ボディーガード」と言わんばかりに、従っている。そして、二人の会話を子細
逃さないよう、しっかり聞き耳を立てているのだろう。もっとも、土曜午前、
一応紫尾市の観光地だ。睦が、しっかり曳き綱を握っている。

 「立ち合い」を終えて、今度は「お見合い」らしく、睦は慎三郎と屋敷の
縁側にでも座って、話をしようと思ったのだが、どうにも人が集まりすぎて
しまった。ゆっくり二人で話をする雰囲気では、ない。
 それならば、と、慎三郎を散歩に誘ったのだ。

 それでも、ビシッとおしゃれをした女の子と、剣道着姿の男と、大型犬の
組み合わせは、目立ってしまう。すれちがう観光客から、「なにごと?」と
ばかりに好奇心に満ちた視線を受けてしまうが、それも“修行”だ。気に
しないことにしよう。

 とはいえ、睦は、まだ恥ずかしさから、完全に回復していない。なかなか
滑らかに、言葉が出てこない。
 “ひきこもり”の慎三郎の方が、気を使ってくれるのだろう、
 「・・・いい天気だな。夜行性のオレには、ホント眩しすぎる。あっ、日傘
か、せめて帽子でもないのか?」
 存外、慎三郎は気が利くようだ。
 「うん。大丈夫」
 睦は、短く答えた。
                          (つづく) 

2011年9月 7日 (水)

第八章「新米館主、お見合いする?」25

 やっぱり、秋の空。

 1109071s
 それはそれで、窓開けっ放し、パンツ一丁で寝る開放感ともお別れ、
と思うと、寂しくもあり。

 あれやこれや考えつつ書いておる、自作小説なのですが、
    う~~~ん、
 アクション・シーンを文章で表現するのって、とてもムズカシイ・・・。
 で、ついつい予定より切り詰めることとなり・・・。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」25
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「ちっ」
 舌打ちの音が、睦の耳に届く。
 だが、慎三郎は睦に背中を見せたまま、動かない。

 (さ~て。次は、どうくるの?)
 睦は、次の動きを待ってやる。

 次の瞬間、
 「りゃあ~~っ!!」
 ひときわ大きな怒声とともに、慎三郎が振り向きざまに、竹刀を振り下ろし
てきた。その気迫満点の動作を前にすれば、素人なら、びっくり仰天の場面だが、
そこは睦だ。
 (ちょっと間合いが、遠かったね)
 睦は身動きせずに、竹刀が地面まで振り下ろされるのを、眺めてやった。

 その時、ふと慎三郎がニヤリとしたように見えた。
 (ん?)

 「どうだっ!」
 慎三郎は半歩踏み込みつつ、地面スレスレの位置そのままから、今度は睦目がけ
て、竹刀を振り上げてきた。
 (あっ、“燕返し”?)
 やや、睦は不意を突かれた。それでも、軽く後ろに跳び退いて、空を切らせるつ
もりだったが・・・・。
 生地の軽いワンピース姿で立ち合いに臨んだことが、徒となってしまった。

 ワンピースの裾はふわっと風をふくんで、睦の身体の動きより、ワンテンポ遅れる。
 その空に浮いた裾が、竹刀の尖端にきちっり捉えられてしまった。

 「いやんっ!」
 つい悲鳴を上げてしまった。そして、大慌てで裾をとにかく押さえる。
 (パンツ、見えちゃってないよね・・・・)
 睦は、立ち合い中もなにも、恥ずかしさに顔が火照るのを感じた。

 「・・・・・あっ、ごめん」
 慎三郎とて、意図したことではなかった。こちらも、困ったように、動きが
停まってしまった。

 「わっははっは・・・。お見事、慎三郎くん。“スカートめくり”一本じゃな」
 “セクハラ”じいさんは、さも愉快そうに、笑う。
 「おおっ・・・・、御仮屋さんの超セクシー・ショット・・・・」
 さすがに、ファインダーから目を離した桐嶋が、つぶやく。

 心配したのだろう、タダモトがさっと駆け寄ってきてくれた。
  

             (第八章「新米館主、お見合いする?」
                           とりあえず、おしまい)
                          (まだまだ、つづきます)     

 

2011年9月 6日 (火)

第八章「新米館主、お見合いする?」24

 秋の空。その2。

1109062s
 さ~~て、わが身にとっての、今週が始まりハジマリ・・・。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」24
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「照れるでない。照れるでない。
   よいかの。それでは、仕切りなおしじゃ。
     お互い、深呼吸をして、息を整えて。
            ・・・・・・・・・・・・・
              構えて。はじめ!」
  再び、じいさんの合図で始まる。

 慎三郎が、照れ臭さを隠すように、猛然と竹刀を振り下ろしながら、突進し
てくる。
 
 (それならば・・・・)
 睦は、襲い掛かる竹刀を棒で軽くいなしつつ、前へ出る。そのまま、すれ違う
ように駆け抜けて、慎三郎の背後へ出た。

 「おっ、出ましたね。新納流の動き」
 相変わらず、カメラのファイダーから目を離さないまま、桐嶋が声を出した。
なるほど、彼はすでに何度か睦にレンズを向け、その動きの特長を把握済みなの
だろう。

 ところが、初めて睦と相対した慎三郎は、見失ってしまったようだ。

 (こっち、こっち)
 睦は、棒で地面をトントンと叩いて、居場所を教えてあげた。
                             (つづく)

2011年9月 4日 (日)

第八章「新米館主、お見合いする?」23

 まだまだ、台風の影響は続いている?
(まあ、これは露出を切り詰めているから、かくのごとしの
“暗雲”となっているのですが)

1109041s
 そうそう、本日9月の第一日曜日は、出水市内各校区の運動会
が一斉に開催されたのでしょうか。

 さ、私メは、本日の店番を終えれば、休みになる~~!

 がんばります。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」23
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 「ふん。面白いな」
 慎三郎は、ちょっと笑った。
 (おっ、闘争心に火がついてきてくれた?)
 「そうでしょ。遠慮はいらないわよ」

 「そうじゃ。慎三郎くん、思いっきりやりなされ。ちょっと痛い目にあった
としても、それを恨むような、むっちゃんじゃない」
 じいさんも、一言添えてくれる。

 「よし、二本目、よいか?
              はじめ!」

 合図と同時に、慎三郎は竹刀を振り上げて、睦に突進してきた。
  「やっ~ぁ!!」
   ビュン、
 と音を立てて、竹刀が睦に襲いかかる。

 (負けるもんですか!)
  睦は、振り下ろされてきた竹刀を、ガシッと棒で受け止めてやった。
 (なんの!)
 お互い力をこめての、“鍔迫り合い(つばぜりあい)”の状態だ。もちろん、
力比べでは、睦が圧倒的に不利なわけだが、ここは負けじとぐっと力をこめる。
 そして、小柄な睦は、下から見上げるかたちで、慎三郎をにらんでやったの
だが・・・・・。

  (あれ?)
 何を思ったのか、慎三郎は力を抜くと、さっと早々と跳び下がってしまった。
  (もう、なに・・・)
 睦は、拍子抜けだ。

 「はははっ・・・。そうか、むっちゃんの色香は、強力な武器じゃの」
 「あっ、いや・・・・」
 慎三郎が、照れたようにうつむいた。
                      (つづく)

2011年9月 3日 (土)

第八章「新米館主、お見合いする?」22

 台風余波。
 風は強いけれど、雨はときおりパラリ・・程度。

1109031s
 昨夜は、出水市内の民家へ強盗が押し入る、という事件が発生。
 “負の連鎖”って、あるんでしょうか・・・・・。

 さ、前向きに。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」22
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 もちろん慎三郎は、剣道の試合のように、間合いをとってじっと対峙する
展開をイメージしていたのだろう、明らかにうろたえた表情をした。だが、
じいさんの言った「ここは『新納流試心館』じゃ」の意味を、すぐ理解した
ようだ。ぐっと腰を落とし気味にして、中段の構えのまま、目をつぶってし
まった。

 (ほ~~、心眼の構えのつもり?通じるのかしら・・)
  睦は、走りながらも、相手を見ることを怠らない。
 (それなら、仕掛けさせてもらうよ)
 睦は、慎三郎の背後に回ったところで、さっと間合いを詰める。
 (剣道の試合じゃないからね)
  「やっ!」
 さっと棒を、慎三郎のふくらはぎを狙って、打ち下ろした。
 ところが、慎三郎は睦の気配を察することができたのだろう、ぱっと前へ
飛んで、睦の攻撃をかわした。
 
 (ほ~~、やるじゃない)
 
 身体の向きを変えた慎三郎は、目を開けた。そして、八双の構えから、睦へ
の反撃を試みる。

 (そうは、させない)

 慎三郎の動きより早く、睦は、空いた胴へ、次の攻撃を放つ。慎三郎は、後に
跳び退って、これも避ける。

 (これは、フェィント)

 三撃目。慎三郎の顔スレスレめがけて、突きを放つ。慎三郎に竹刀を振り下ろ
す間を与えなかった。耳たぶに触れるくらいの位置で、棒をさっと停めた。

 「たあ~~っ」
 「よし!。むっちゃん、一本だな」
 審判のじいさんが、宣した。
                      (つづく)

2011年9月 2日 (金)

第八章「新米館主、お見合いする?」21

なかなか、デジカメを取り出す機会がなく・・・・。

 で、ついつい毎日の常食(?)、「おでんラーメン」を。

1109021s

 鹿児島市内の同じファーミリーマート店舗に、また強盗が入る
という事件が発生。
 う~~ん、世の人様の感覚としては、
 「深夜の時間帯を、なぜ二人勤務にしないんだ~~!!!」
 なのでしょうが、
           横たわる、コスト・・・・・。

 さ、少しでも明るく。
 (あれ・・・・、ただ今、FC2小説のサイトへログインできません・・・)
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         第八章「新米館主、お見合いする?」21
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 「慎三郎くん、男同士として、ちょっと助言させてもらおう。
 ここは『新納流試心館(にいろりゅうししんかん)』じゃ。じゃから、剣道の
試合をイメージするのはよくない。
 そして、むっちゃんの弱点じゃが。当の本人もまだ戸惑っているようじゃの、
その見事に発育したおっぱいとお尻じゃろう。お尻を、ペチンと叩くもよし、
おっぱいめがけて、突き一閃、というのはどうじゃろう」
 「もう~、じいさん。他の人もいるのに・・・・」
 睦にとっては、いつものじいさんの“セクハラ発言”なのだが。
 「そうそう、新納さん、撮影中ですよ~~」
 カメラのファインダーから目を離すことなく、桐嶋が抗議する。
 
 そして、その助言の相手・平手慎三郎といえば・・・・。
 (あっ・・・、顔が真っ赤。これじゃあ、助言になってないよ)
 慎三郎としては、これでは睦の胸めがけて『突き』なぞ、出せなくなって
なってしまっただろう。

 「なにを動揺しておるのかの・・・・。
   さ、それでは、互いに礼。構えて。
              よし、始め!」
 じいさんが宣した。
 「はっ」
 棒をほぼ水平に構えた睦は、やおら横っ走りに慎三郎の周囲を回り始めた。
ただの同心円状の回転ではなく、距離感を幻惑させるために、わざとゆがんだ
円を描く。
 (もう!。ストッキングが滑るわ・・)

 ワンピースの裾が、風を得てふわりと広がる。長い黒髪も、いきおいよく
はためく。その様は、御仮屋睦(おかりや・むつみ)独自の“舞い戦う”姿
だ。小柄な身体が、ダイナミックに躍動し、それは、とても艶かしい。
                            (つづく)

2011年8月30日 (火)

 第八章「新米館主、お見合いする?」⑳

 月曜日は、午前5時前の帰宅となり・・・。

 ふいと空を見上げれば、キラキラを通り越して、
 ギラギラと輝く、シリウスひとつ。

1108304s
 スミマセン。橋の丸い欄干の上にカメラを置いて、手で押さえつけながら、
15秒露光だったので、ブレております。
 もう少し上方には、オリオン座が。

 さ、また一週間が始まりました。
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         第八章「新米館主、お見合いする?」⑳
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 「わしが審判を務めて、しんぜよう」
 じいさんが名乗り出てくれた。
 「お互い、ケガはしたくないじゃろ。まず、お互い上段に振りかぶってみい。
そして、わしの合図とともに、相手の頭をめがけて振り下ろす、そして頭の上で
ピタッと止めてみる。よいか」
 「じいさん、ちょっと待って。さすがに、これは、脱がさせてもらいます」
 睦は、ハイヒールを脱いで、脇に置いた。
(本当は、ストッキングも脱ぎたいんだけど・・・)
 ぐっと、睦がまた小柄になった。
 「失礼します」
 と、さっと近づいてきて、そのハイヒールを手にして、またさっと離れた
のは、坂道だ。その“年下のボーイフレンド”ぶりが、睦には面映い。
 「あっ・・・・。これも、撮影してよろしいでしょうか・・・」
 遠慮がちに訊いてきたのは、桐嶋だ。もちろん、この遠慮の相手は、睦で
はなく、対戦相手の慎三郎に対してだろう。
 「あっ、自分にはお構いなく・・・」
 断っては“漢が廃る(すたる)”のだろう、慎三郎も同意した。

 「よし。それでは、お互い構え」
 睦は棒で、慎三郎は竹刀で上段の構えをとった。そして、睦は竹刀が振り下ろ
される位置まで、慎三郎に近づいた。
 「おおおっ・・・。結構、見栄えのする組み合わせじゃの。
     さあ、よいか、それでは、一・二の三じゃ。
                       一・二・三っ!!」
  「やっ」「おっ」
 棒と竹刀が、お互いの頭めがけて、ヒュンと振り下ろされる。
 睦は、ピシッと慎三郎の頭上数ミリで止めてみせたが、慎三郎の方は、竹刀
の軽さに戸惑いがあるのだろう、実はコツンと睦の頭にぶつかってしまった。
 (しまった~)
 という表情に対して、
 (大丈夫。上出来)
 睦は、にこっと笑い返す。
 「慎三郎くん、気にしない。上出来じゃ」
 じいさんも、同じ判断だ。
                          (つづく)

2011年8月28日 (日)

第八章「新米館主、お見合いする?」⑲

 巨大UFO(?)のような雲。

1108281s

 ふ~~。
 あと一日店番して、ようやく「休み」が回ってきます・・・。
 で、今夜は、たぶん店番が終わってから、店頭に置かれた募金箱の
中身を数えるという作業が・・・・・。
 正直、面倒くさいのですが、少しでも被災者の方の手元に届くように・・・。

 さて。ガンバリましょう!!
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         第八章「新米館主、お見合いする?」⑲
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m)

 「いや・・・。オレは、別に構わないが、竹刀でも当たれば怪我するぞ」
 「あはっ、そうね。叩かれて、たんこぶができたら、私、身長伸びるかし
ら・・・・。って、私も、一応女ですから、怪我したくないわ。慎三郎さん、
“寸止め”してくれないかしら。さっきの素振りを拝見するかぎり、十分
木刀をコントロールしていたように思うわ。出来るでしょ?」
 「わかった。・・・・しかし、その格好でか・・?」
 慎三郎の剣道着姿に対して、睦は、フワフワな生地を多用した、“勝負”
ワンピースだ。
 「いけない?」
 睦は、ここでことさらに胸をはってみせる。
 「Beauty is Force(美は、力なり).
  A lady,
        She dress Beauty.
           So,
              She become a Knight.
    (淑女は、美を装うことにより、騎士となる)
                         どう?」
 睦は、いたずらっぽく慎三郎を見上げる。
                       (つづく)

   英語が、やっぱりムズカシイ・・・・。

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