自作小説 Feed

2012年1月22日 (日)

第十二章「合コンは、決戦?」29

 日曜日。工事は休み、
ということで、狭い水面に集まってきた鳥たち。

1201221s
 こちら、本日到着。

1201222s
鎌倉レ・ザンジュ
 さんから。「対・ご近所の方バージョン」

 「ご挨拶の品」を選ぶのに、一番悩んだのは、実はこの「対・ご近所の方」品。
 “そこそこ日持ちして、そこそこ豪華に見えて”
 “それでいて、予算ひとつ500円程度”(←これ、けっこうシビアに大事)
 
 スーパー紀伊国屋さんのオンラインショップで、この予算で買い揃えられる品物
が多く並んでいたのですが、
  う・・・・・・ん、まあ、自分、本籍地だけは今でも鎌倉だから・・・・。
 (お正月セール、というのもされていましたから)

 さ、今日も大急ぎで。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」29
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「そう、睦ちゃんの好きな言葉。祝子ちゃん、考えてごらんなさい・・・。
なにも女である私たちが、筋肉もりもりの男になる必要はないの。女は、美しく。
的を射なければ、なんて思わなくていいのよ。・・・・・
 まず、美しく弓を弾いてみて。そして、周りの人の心をぐっと撃ち抜いて。
 祝子ちゃんなら、できるわ」
 小雪と茜は、祝子の緊張をほぐすよう、抱え込んだまま、ゆっくりと説き聞か
せている。
 「私も、仲間に入れて」と、睦はつい思ってしまう。

 「ねえ!、祝子ちゃん」
 睦は、声を出す。少しぐらいの“反則”は、見逃してもらおう。
 「祝子ちゃん。矢が山なりに飛ぶように、弓を使ってみて。まっすぐに飛ばす
より、飛距離は伸びるわよね。物理の授業で、教わったよね」
 「も~~う、睦さん。私、学校の成績が悪いのは、知ってるくせに~~」
 緊張しているはずの祝子が、笑顔で返してくれた。
 「そうそう、その調子!」

 「いい?、祝子ちゃん」
 「はい、ありがとうございます。小雪さん、茜さん」
 「よぉ~し、それでは・・・・」
 「合言葉は・・・」
 「"Beauty is Force" 。美は力なりっ!!」
 小雪、茜、祝子の声が揃う。睦は、なんとなく“仲間はずれ”にされた気分だ。
                              (つづく)

2012年1月21日 (土)

第十二章「合コンは、決戦?」28

 明日は「お別れの品」“対ご近所の方・バージョン”が届きます。
「代金引換」で注文しているので、お金を用意しておかなければ。

 で、月曜は早速“挨拶回り”に行かなきゃならんのかな・・・・。

 で、で。

1201211s
 これからの引越しで、かなりの出費を覚悟しなきゃならんし、当座の生活資金
も出来るだけ持って行きたいし・・・。
 はぁ・・・・・『恵方巻』。やっぱり“協力”しなきゃならんのかい・・・。

 で、で、で。
 まあ、愛しのヒロイン・むっちゃんにも、多分『いつもニコニコ・つるかめカード』
の獲得ノルマが課せられているのでしょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」28
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 (あっちゃ~~、ダメよ・・・。脚が震えているじゃない・・・)
 意を決して立ち上がった祝子だが、顔はすでに蒼白状態、緊張のあまり、脚が小刻み
に震えてしまっているのが、睦にも見てとれた。

  「あっ!・・・」
 祝子は合図もなにもなく、いきなり矢を放ってしまった。
   ポトッ・・・・。
 矢は、ふらふらと飛んで、三メートル先に落ちた。的までは、まだかなり距離がある。
 それでも、緊張しきってしまっている祝子は、次の矢を手にして、弓を引き始めてしま
っている。これでは、とてもじゃないが、次も的までも届かない。

 「祝子ちゃん!、ちょっと待ってっ!!」
 叫んだのは、小雪だ。祝子の耳に届いた。はっと我に帰った祝子が手を止めて、小雪の
方を振り向く。
 「ちょっと、いらっしゃい、祝子ちゃん」
 「すみませ~ん!、新納さん、そして、皆さん。作戦タイムを、いただきますっ」
 と周囲に宣告するのは、主将・茜だ。

 小雪と茜は、歩み寄ってきた祝子を二人して抱え込む。そして、
 「はい、美少女さん。・・・・落ち着いて」
 「そう。深呼吸・・・」
 しばらく、時間を掛ける。

 「“Beauty is Force”。美は力なり、って、祝子ちゃん、知ってる?」
 (あっ、それ、私の・・・・)
 「・・・・あっ、睦さんの好きな言葉・・・」
                         (つづく)
  
  スミマセン。出勤時刻です・・・。

2012年1月20日 (金)

第十二章「合コンは、決戦?」27

 「お別れの品」“対同僚の方・バージョン”。
 本日、北海道より到着。

1201201s
 大慌てで、コンビニへ持っていって、
 「皆さん、一個ずつ食べてくださ~い!」
 と言ったら、
 「えっ。鈴木さん、今日までなんですか~?」
 という反応。
  いえいえ、まだまだしっかりシフト(勤務)には、入っております・・・。

 ネットであれこれ、“対一番大事な方”“対ご近所の方”と、あれこれ違う
お店のネット通販に注文させて頂いたのですが、この

 ・マルキタプリン本舗
 さんが、一番早く商品を発送してくださったので。。。。

 さ!そうだ、オレって、小説書いていたよな・・・・
 と思い出したところで。

 自分も、忘れてしまっている・・・・
主人公・御仮屋睦(おかりや・むつみ)
 鶴亀信用金庫紫尾支店に勤め始めた新人OLにして、武家屋敷街・御館町に伝わ
る古武道の流派「新納流試心館」の館主を、継承してしまう。

 ・田所茜(たどころ・あかね)
 ・水溜小雪(みずたまり・こゆき)
 鶴亀信用金庫紫尾支店の、睦にとっては、頼れる先輩OL。

 ・新納義彰(にいろ・よしあき)
 代々「新納流試心館」を継承してきた新納家の末裔。睦のことは「むっちゃん」と
呼ぶ。
 ・タダモト
 新納家の飼犬。睦のことを、こよなく慕う。こちらも、睦の頼れる“相棒”。

 ・米櫃祝子(こめびつ・いわいこ)
 睦の年下の友達。現役高校生。絶世の美少女ながら、ナンパしようとした男子
は、ことごとく不幸な目に。付いたあだ名は『呪いの美少女』。

 こんな登場人物でしたっけ・・・・。 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」27
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 ルール上は、弓の名手・小雪が、残りすべてを射っても、なんら問題はない。
しかし、小雪と女性陣主将・茜が、二番手として送り出してきたのは、“呪いの
美少女”こと祝子だ。祝子とその母が信仰する宗教は、とにかく窮屈極まりない、
と睦は思う。“女子(おなご)が、スポーツごときに、身体を激しく動かすこと
は、はしたなきこと”という教義まで存在するらしい。そのおかげで、確かに
祝子は“運動神経ゼロ”。走るだけでも、上半身が激しく上下動してしまい、
“運動音痴”だということは、一目瞭然だ。
 年上の女性二人に、無理やり弓を持たされた祝子は、
 「ごめんなさいっ!!!」
 と、いきなり地面に突っ伏してしまった。
 そして、なにやら「ゴニョゴニョ・・・・」と独り言を地面に言い始めた。
 祝子にとっては、それが信仰する“神様”への願掛けなのだろうが、
(え~~っと、その“神様”って、女子が弓を引くことを、許してくれるの??)
 と、睦はツッコミを入れたいのだが、祝子は一心不乱だ。

 祝子の祈りは、結構長く続く。
 どうやら、
 「お教えを破ることを、ただ一度だけお許しください。そして、我に、ただ一度
だけ、男子(おのこ)の力を授けてください」
 と祈っているらしい。
(あの・・・・、祝子ちゃん。私と最後に“障害物競走”を、一緒に走る予定なん
だけれど・・・・)
 という、睦の問い掛けは、あっさり無視されたようだ。

  やがて、
 「私、やりますっ!」
 と、祝子が立ち上がった。
                       (つづく)

2011年12月20日 (火)

第十二章「合コンは、決戦?」26

 夜勤に復活して。久しぶりに見たような・・・。

1112201s
 青空の下での、紫尾の山々。
(ちなみに、ここからでは紫尾山の山頂は見えておりません)

 早っ。もう12月も20日ですか・・・・。

 で、ただ今、わが身にとって最大のイベント。
 
    新パソコンが来る~~~!!

 すでに、
 ・イー・モバイル公式サイト
 から、チャージ式のWi-Fiルーターも注文しております。

 そのくせ・・・、
 成海璃子サマ主演のDVD作品を二本、注文してしまった・・・。
(無駄な出費と、無駄な荷物は減らしたいはずなのに)

 これからは、ひとつの作品を、じっくりと何度も鑑賞するという
趣味を会得すべき。

 さて、簡潔にまとめようとした最終章なのですが、苦戦しております。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」26
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「もちろん三本目も、きっちり当てさせて頂きます」
 大山も、小雪に負けじと宣言する。

 そして、
   ガッ!!
 予告どおり、的中させる。
 勤務の合間に、ここ試心館に通って、弓の稽古をしたのだろう。急速に腕前を
上げたようだ。

 一対ニ。
 女性陣が、リードされた。
 ところが、小雪は少しも動じず。
「さすが、睦ちゃんのボーイフレンド。やるじゃない」
 感心してみせている。
「自分だけじゃないですよ。他の者も、しっかり練習してきましたから。男衆
を侮らないでください」
 大山が、応じる。
                          (つづく)

     なかなか・・・。筆が進みません・・・・。 

 

2011年12月18日 (日)

第十二章「合コンは、決戦?」25

 日曜日の夜明け。
 昨夜ぐらいが「忘年会」のピークだったのではないでしょうか。
 今度の週末は、クリスマスか・・・・。

1112181s
 冗談で買った「AKB48新聞」。
(オレ的には「やっぱり、桜庭ななみだぜ~」とうそぶくため)

1112182s
 ファンの人に転売すると、定価300円が1,000円になるのだとか。

 さ、今夜店番頑張って、休みへ・・・。
(って、月曜朝のゴミ出しが出来ない・・・)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」25
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 小雪に対して、男性の先陣は主将・大山だ。
 
 「どう?、大山さん。私の技、盗めましたかしら」
 「もちろん。こう見えても、拳銃を預かる警察官です。しっかり、水溜(みず
たまり)さんの、ご期待に沿ってみせます」
 「そう。いい勝負しましょうね」
 小雪と大山は、声を掛け合う。すかさず、周囲から拍手が起こる。

 確かに年に数回であろうが、警察官であれば射撃訓練をしている。“飛び道具”
として、その経験を弓にも活かせるだろうか。

 大山の初射。的から、わずかに逸れた。
 (初めから、狙ったわ・・・)
 大山は、しっかり小雪の射ちを観察しきっている。
 (次は、当てるな・・・)
 睦は、予感する。

 第ニ射。
  ガッ!!
   見事的中。
 (やるわね~)
                         (つづく)
 

  なかなか先に進みません・・・・
 

2011年12月17日 (土)

第十二章「合コンは、決戦?」24

 あっ・・・・。
 今日も、インスタントコーヒーの瓶を買うのを、忘れてしまった・・・。
 で、お向かいの自販機へ。

1112171s
 缶コーヒーって、不経済ですよね~~、とボヤキつつ。

 さて。忙し、いそがし・・・と焦りつつ、夜勤をしつつ朝を迎えて。
 で、今朝は、新人バイトの女子高生さんと、遭遇。
 某武道三段、つまり部活動一筋の方なのですが、バイトばっかりは勝手が
違うようで・・・・。

 オジサン、ついつい居残ってしまい・・・・。

 ああ、今夜も忙しいのでしょうね・・・・・。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」24
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「次は射る」なぞと宣言するのは、かなり度胸を要する。当然、周囲からは
どよめきが起こる。
 
 「皆さん、ご心配なく」
 小雪は、涼しげに周囲を制する。
 「さて、参ります」
 気持を集中させているのだろう、ゆっくりと弓を射る動作に入る。的のそば
に居る睦の耳元まで、弦を引き絞る“キリキリキリ・・・”という音が聴こえて
くる。

 「はい」
 睦は、動的機を動かす。
 カチカチカチ・・・・・・
 さすがに小雪も慎重だ。じっとタイミングを見計らっている。

  ヒュッ!
 弓が放たれる。

  ガッ!!
 意外に大きな音をたてて、見事に弓は的に刺さった。

  うぉ~~
 嘆声に遅れて、
  パチパチパチ・・・・・
   拍手が沸き起こる。
  ほっとしたように、小雪は構えていた弓を下ろして、周囲に礼をする。
                           (つづく)

   緊迫感のある文章になりません・・・・。
                        
 

2011年12月16日 (金)

第十二章「合コンは、決戦?」23

 月夜の下で、出勤。
 明け方くらいから、北風がピュ~ピュ~と、一段と寒くなり。

1112161s
 で、毎冬、毎冬の恒例。
 う~~ん、他人様にお見せできない・・・・。
(あまり、しげしげと見ないでください)

1112162s
 ついつい、某婚活サイトにおいて、「千葉県」で会員検索して、
あれこれプロフィールを拝見・・・・・・。
 「上京」する楽しみがひとつでも・・・・と、つい思ってしまい。
 向こうでお会いする楽しみを・・・・・・、って、いえ、弱音。

 さ、少しでも(第一部 完)を目指して。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」23
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 小雪は、弓と矢を携えて、立つ。
 実は、この『からくり動的機』、何段階かに速度を変えられる優れものなの
だが、時計の秒針と同じく、カチカチと小刻みになるのが欠点だ。そのリズム
を読むことがコツなのだ。じいさんが、睦の参加を禁じたのは、その意味で当然
だ。そして、小雪がそのリズムを読むことが出来るか?が、見どころだ。

 小雪は、きちっと弓道の作法にのっとり、弦をきりりっと引く。
 「はい」
 睦に合図する。
  カチ、カチ、カチッ、・・・・・
 的が移動し始める。
  ヒュッ
 弓が放たれた。
 一本目は、いわゆる“試射”だ。矢は、みかんの木の茂みに飛び込む。
 「ふ~~ん」
 小雪は、なにをつかんだのか。

 「二本目、いきます」
 小雪が、二本目を放つ動作に入る。
 「はい」
 カチッ、カチ、カチッ・・・・
 的が、再び動き出す。
  ヒュッ!
 (惜しいッ!)
 矢は、的から数センチのところを、飛び抜けていった。さすがは、小雪と
いうべきだ。二本目で、コツを読み取ったのだろうか。
 「よ~お~し」
 小雪は、うなづく。
 「三本目、当ててみせます」
 堂々と宣言した。

                       (つづく)

2011年12月14日 (水)

第十二章「合コンは、決戦?」22

 今朝は、午前5時前にねぐらへ帰ってきたと思うのですが。
 近所の“フィリピン・バー”(?って、呼んでいい?)は、まだ営業中?

1112141s
 さ~て、まだ悩んでおります。
 どんどん値下がりしてきているような・・・。

 
 これに「Office」が付属すると・・・。

 こんなお値段になるようで。

 ・・・・・後は、自分のただ今現在の趣味・「日本映画作品のコレクション」
という分野において、どのくらいの勢いでブルーレイ商品が一般化するのか???

 さ、久しぶりに。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」22
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「ルールは、三本ずつ、女子衆・男衆交互に射って、合計十二本で勝負。
むっちゃん以外なら誰が何度射っても可、でどうじゃ?。あんまり長引いても、
観客の皆さんが、退屈されるからの」
 じいさんがルールを説明したあと、睦が急いで付け加える。
 「あっ、あの~~。一応、観客の皆さんは、こちら側に集まってください。
安全に注意しますので・・・。あの~~、そして、的から外れた矢は、そのミカン
の植木の枝で停まるようになっていますので。どこかへ飛んでいってしまう、と
いう心配はありません」
 民家の庭先で弓を射る、なぞは、本来なら「危険」だと非難されかねない。
それを見逃してもらいたく、説明を加えた。

 「そうじゃの。からくり機械の操作は、むっちゃんにお任せしよう。射手が
合図をしたら、的を動かす。女子衆にも、男衆にも、平等にな」
 じいさんは、なかなか狡猾だ。これでは睦が、他の女性にあれこれアドバイス
できない。

 「それでは、先攻は、女子衆。小雪さん、見本を見せてくだされ」
 「はい」
 じいさんに促されて、小雪が弓を手に立ち上がる。弓の長さは約1メートル60センチ。
的までの距離は、少し長く約10メートル。
 小雪は、いつのまに用意していたのだろうか、カチューシャ(ヘアバンド)で髪を
留めている。長身で色白の小雪は、たしかに、ギリシア神話の女神だ。

 「ふふふ・・・。これで、誰も一本も当てられなかったら、目も当てられないわよ
ね・・・・」
 小雪は、不敵に微笑む。
 二番目の種目は「四半的(しはんまと)」と決められてから、女性陣・男性陣それぞ
れ、実際に弓を手にとって練習してきた。だが、それはあくまで動かない的に対してで
あって、“動く的”というのは、今日が初体験だ。
 いくら弓道経験者の小雪であっても、難問である。
                          (つづく)

2011年12月 8日 (木)

第十二章「合コンは、決戦?」21

 夜起きてみると、北風ピュ~~で、かなり冷え込んで参りました。
 日中散髪に行った頭が、薄ら寒い・・・・。

1112081s_2
 ねぐらに戻ってくると、ここ数日はもっぱら「求人」「バイト」サイト
を、せっせか見る時間が多く・・・・。
 やっぱり相手先に電話して、
 「そちらの出身なのだけれど、現在鹿児島在住。そちらへ戻ることを決心
して、現在求職中。面接日時を指定してくだされば、お伺いします云々・・・」
 という事情を、簡潔に説明できなければならないのか・・・・。

 実は、自分、かなり電話って、苦手なのだよな・・・・。

 で、ねぐらの電話は、ご覧のとおり。

1112082s
 もっぱら、両親との通話専用なのですけれど。

 さ~~て。出勤前の元気づけ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」21
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「見てお解かりのとおり、これで“動く的”を作れるのじゃ。むっちゃんは、
小さい頃から、弓はもちろん、手裏剣、吹き矢で、慣れ親しんできた機械じゃの。
じゃから、この競技は女子衆に制限をつけさせてもらう。むっちゃんは、後の
座興で、得意技を存分に披露してもらうとして、この競技には、参加禁止じゃ」
 周囲が、ざわめく。睦が参加禁止となれば、女性陣が圧倒的に不利ではないだ
ろうか・・・、そんな心配の空気だ。
 「な~~に。そこにおられる、むっちゃんの先輩、小雪さんが弓道をされて
きたそうじゃ。なかなか手強いじゃろ」
 じいさんが、小雪を皆に紹介する。さすがの小雪も、ちょっと照れたように、
礼をする。
 「・・・あの・・・、この格好で弓を引くなんて、サマになっていませんが・・」
 ブラトップにランニングパンツ姿。たしかに、滅多に見れる姿ではない。
 「よいよい。ギリシャ神話に出てくるような女神さまを、わしは連想するぞ」
 じいさんの、ナイス・フォローだ。
                        (つづく)

2011年12月 7日 (水)

第十二章「合コンは、決戦?」⑳

 まだ夜は明けない午前6時40分。
 1112071s

 ・・・・夜勤なんて、「いらっしゃいませ~」を言う回数が圧倒的に
少なく、夕勤とくらべれば楽勝だぜ~~・・・と思いつつ始めたのです
が、終わってみれば、かなりシンドイ・・・・・。
 「歳のせい」を自覚しなければならないようで。

 で、何気なく売り物を見ていたら。

1112072s
 えっ!!・・・「温州みかん フィリピン産」でっせ~~。
 どういう経緯で、鹿児島にやってきたのだろうか・・・・。
 自分に余裕があれば、『農業問題』を考えるいいネタになった
のでしょうが。

 さ、今夜も夜勤。夜勤・・・。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十二章「合コンは、決戦?」⑳
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 「さ~て、次の競技じゃが」
 じいさんが、進行を進める。
 「『四半的(しはんまと)』じゃ」
 いきなり「しはんまと」と言われても、どんな単語であるのか、多くの人は
思い浮かべることができない。戸惑った表情が多い。
 「な~~に、弓(ゆみ)のことじゃ。宮崎の日南あたりでは、観光客も気軽に
体験できるようじゃな。
 距離は四間半、弓は四尺五寸、的は四寸五分の大きさのものを使うことから、
全部“四半(しはん)”、すなわち『四半的』と呼ばれているそうじゃな。
 正しくは、正座の姿勢から矢を放つらしいのじゃが。な~~に、新納流では、
そんなことはせん。ほれ、新館主のむっちゃんがご覧のとおりの、おチビさん
じゃ。そのむっちゃんが、存分に弓矢で遊べるよう、短めの弓を使ってきた
だけのことじゃ」
 ・・・・どこまでが、真相なのやら。
 とはいえ、『弓道』といえば2メートルを超える長さの弓を使用する。それ
だけの長さの弓を扱うには、相応の技術と腕の筋力などが必要とされる。そして、
『弓道』では、礼儀作法も厳しく定められている。対して新納流では、自在に
弓矢を扱うことを目的としている。

 「そして、今日は女子衆にも、男衆にも少々苦労してもらう。動く標的を狙っ
てもらおう。皆の衆も気になっていたと思うが、そのための、あれじゃ」
 じいさんが指を指す方向に、一斉に視線が向う。
 約5メートルの細いワイヤーが、張り渡されている。そして、そのワイヤー
の一端は、ある木箱の中へと巻き込まれている。これぞ、新納流秘密兵器『から
くり仕掛け・動的(どうてき)機』だ。
                          (つづく)

プロフィール

フォトアルバム

ごろごろ

最近のトラックバック