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2011年9月

2011年9月30日 (金)

第十章「新米館主、後輩を得る」⑤

 28日付南日本新聞一面記事。
 「観光重視の総合戦略を」
 について、いずれ書いてみたいな~~。

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 で、今日はやっぱり、自作小説。
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     第十章「新米館主、後輩を得る」⑤
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 『ハイツM』の大家である両親には、念のため報告した。ところが、両親か
らも「あの親子には、あまり関わらないほうがいい」と言われた。築二十年が
経過して、今では比較的手軽な家賃で入居できるアパートとなっている。空室
を作りたくない大家としては、ことさらに問題のある人物以外には貸す、のが
原則だ。睦が関わった親子は、入室を拒否するほどではないにしろ、なにかし
ら“訳あり”なのだろう。
 ちょっと気にはなるものの、睦も忘れようとしていた。

 ところが、その翌日。鶴亀信用金庫紫尾支店から帰ってきて、いつものよう
に「ただいま~っ!」と大きな声で挨拶をしながら、表通りに面した御仮屋書
店から中に入った。ところが、いつもならば「あら、お帰り」と返事を返して
くれる母が、
 「睦。ちょっと・・・・」
 と、呼び止めてきた。奥の方を気にするように、睦にささやく。
 「あなたに、お客さん・・・」
 「ん。誰?」
 奥の方の応接セット代わりに置かれた食卓に目をやってみれば、あの米櫃
祝子(こめびつ・いわいこ)が、姿勢正しく立っている。そして、睦の視線
に合わせて、深くお辞儀をしてきた。
 「あっ、あの・・・・。御仮屋書店さんが、うちの大家さんだということ、
昨日はじめて知りました。・・・・ということは、うちのこともご存知だと
思います。今日は、けっして『勧誘』とかじゃなくて、昨日のお礼を改めて
言いたくて、お邪魔しました。・・・・あの、母には内緒できました」
 なかなか“今どきの女子高生”とは思えない、物言いだ。
 「母には内緒?」
 その一言が、気になる。
 「母さん、たぶん大丈夫」
 睦は、ちいさく母にささやくと、祝子の方へ歩を進めた。
 「祝子ちゃん、って、呼んでいい?昨日は、怖かったでしょ・・・」
 「はい、どうしていいか、わからなくて・・・。でも、御仮屋さん、とっても
カッコよかったです」
 「あっ、私のことは、睦さんでも、睦ちゃんでも、いいから。祝子ちゃん、
今日はこれから暇?」
 何ごとかを話したくて、祝子は睦の帰りを待っていた、と察する。
 「はい。今日は、バイトも休みなんです」
 「そう。それなら、女の子同士だね。私の部屋へ、ご招待してあげる」
                          (つづく)

2011年9月29日 (木)

第十章「新米館主、後輩を得る」④

 実は!、今週は講談社におかれましては、
『桜庭ななみ、ウィーク』であるようで。
 日本で一番売れている雑誌(一応、?)「少年マガジン」にご登場。

1109291s
 「書く」には、“時の勢い”が必要なもので。
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     第十章「新米館主、後輩を得る」④
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 男は、息を整えようとしているのだろうか。しばらく、地面にうつぶせの状態
のまま、動かずにいた。だが、やがて、何物かを求めて、腕を動かし始めた。

 (・・・あっ、眼鏡を探しているんだ・・・)
 察した睦が、地面に落ちていた眼鏡を拾い上げた。恐らく、睦が男を地面に押し
倒した時に、外れて落ちたのだろう。
 「はい。・・・たぶん、壊れていない、と思う・・・」
 眼鏡を手渡す睦に、
 「あっ・・・、ありがとう・・・」
 意外なことに、御礼の言葉が返ってきた。

 男は、なおも息を整えていたのだろう、眼鏡を掛けてからも、しばらく黙って
いた。
 「・・・・・。ありがとう。アンタみたいな、若い女の子に止めてもらったこと、
やっぱり感謝しなければならないんだろうな・・・・。袋叩きにされなかっただけ、
オレは、幸運だったんだろう・・・・」
 改めて、礼を言われてしまった。

 四方八方からの「なにごと!」と様子を伺う視線が、「あ~っ、一件落着なんだ~」
とでも言うように、一斉に消えた。気がつけば、“一方の当事者”であるはずの、
母娘が住んでいる一室のドアは、閉められている。

 男は立ち上がった。
 「アンタのお尻の感触、楽しませてもらった・・。だけれども、そこの家族には、
関わらないほうがいい・・・・」
 と、負け惜しみのように言うと、ヨロヨロと歩き出した。
 植え込みの陰に隠すように置いてあった自転車を引きずり出すと、それに跨って
去って行った。

 (ストーカー?)
 たぶん、そうなのだろう。
 ところが、アパートの一室のドアは閉じられたままだ。
 (もう!、人がせっかく!!)
 と愚痴りたくなるところだが、タダモトの手前だ。
 「タダモト、ありがと。こういう“痴話ゲンカ”の仲裁って、感謝されないのが、
人間の世界なの。
 いいよ。楽しいこと、考えよ。ね、合コン実行委員長サマ」
 タダモトに話しかけながら、その場を去ることにした。

 ところが、去ろうとした時、
 「待ってください!」
 一室のドアが開いた。
 「あっ、あの~~~。ありがとうございました!」
 飛び出してきたのは、娘の方だ。
 (わっ!。美少女~っ!)
 睦が、つい思ってしまった相手は、紫尾中央高校の制服に身を包んでいる。
 「あっ、あっ・・・・、ごめんなさい!。
   私、米櫃祝子(こめびつ・いわいこ)って、いいます。
                   あなたのお名前は・・・・・」
 「・・・あっ、私、御仮屋睦。商店街の『御仮屋書店』の娘ね」
 「あ、ありがとうございますっ!」
 と、改めて頭を下げられたところで、ドアの奥の方から、
 「祝子、戻ってきなさいっ!」
 どうやら母親の方が、登場してきそうだ。

 とっさに睦は、
 「じゃあね。
   いつでも、御仮屋書店に遊びに来てね」
 さっと、タダモトとその場を去った。
                       (つづく)

2011年9月28日 (水)

第十章「新米館主、後輩を得る」③

 いつもの、ねぐらの台所の窓。
 陽射しは、まだまだきついような・・・・。

1109282s
 さて、急転直下。来月中旬に帰省することが出来そう・・・。
 で、ついつい調べてしまったこと。
 途中、愛媛の某市に立ち寄っていくこと。
(いえいえ、単にそこの空気を吸う、以上のことは致しません)
 新幹線で福岡まで行き、そこから飛行機で四国へ。

 う~~ん、出来ないことはないのだな・・・・・。
(歳をとって、年々バカなことをするエネルギーが低下する中、
久しぶりにバカなことをしてみたいな~という願望です)

 さて、パブリック・コメントとは別腹。
 改めて書きますが、この小説はフィクションであり、実在するもの一切とは、
全く関係ございません。
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     第十章「新米館主、後輩を得る」③
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 『ハイツM』。
 話は逸れるが、確かにその『M』は、実は睦のイニシャルだ。
 御仮屋家といえば「商店街の本屋さん」なのだが、同時に御館町一帯に地所
を持つ「地主さん」でもあるのだ。明治維新を迎えた当時は、御仮屋家は新納家
と同じように、武家屋敷の門を構えていた。今でも頑なに当時の敷地を維持して
いる新納家とは対照的に、御仮屋家は、御館町の「閑静な住宅街」という面に
いち早く注目した。広大な敷地を分割して、小粋な貸家を建築したのだ。それ
は、金融機関の支店長クラス等“転勤族”の需要にマッチした。今でも、鶴亀
信用金庫紫尾支店長宅は、その御仮屋家の持ち家だ。まあ、その“コネ”のお
かげで、睦は現在OLとなれたことは、さらなる蛇足。
 その『ハイツM』。睦が産まれた時、祖父母が建てた賃貸アパートなのだ。
「おまえの教育費は、あのアパートから出ているんだ」、睦は、両親から冗談
めかして、よく言われていた。

 話を元に戻そう。
 その『ハイツM』一階の部屋のドアが開け放たれ、三十代後半?とおぼしき
男女がなにやら激しく言い争っている。いや、地面に倒れこんだ女に対して、
男はどうやら足蹴さえ加えているようだ。「やめてください!」と男に向って
叫んでいるのは、女の方の娘だろうか。
 典型的な“痴話ゲンカ”の現場のようだが、女の方が暴力を受けていると
あれば、見捨ててはおけない。
 「タダモト、行こう!」
 睦は、タダモトの首輪から、引き綱を外した。一人と一匹は、走り出す。

 先に、ドスン!と男に体当たりをしたのは、もちろんタダモトだ。
 その勢いで、男がよろめいている隙を逃さず、睦が男の右手を制して、身体
を地面に押し倒す。右手を背中に押さえつけながら、睦は男に馬乗りになった。
 「なんだか知らないけど、暴力はよしなさい!」
 睦は、できるだけドスを利かせて、男に叫んだ。
 「な、な、ナンダト~~。おまえには、関係ねえ~っ!」
 こういう場合の、いつものセリフが返ってくる。睦から逃れようと、激しく
暴れ続ける。小柄な睦では、押さえ続けるのは、ちょっと苦しい。
 「タダモト、お願い。頭を抑えつけて」
 だが、タダモトと一緒というのは、なんとも心強い。タダモトが、前足で
男の頭を抑えつけてくれる。
 「ぐぐぐぐ・・・・」
 声すら満足に出せなくなった男の抵抗が、徐々に弱まっていくのを、お尻
に感じつつ、じっと睦は耐えた。

 「・・・・・わかった。・・・もう黙って帰る・・・。だから、放して
くれ・・・・・」
  やがて、男が哀願してきた。
 「・・・ほんと?」
 男を抑え続けてきた睦も、息が少々苦しい。
 「・・・・ああ・・・、ホントだ」
 「わかったわ。離れるわよ、タダモト」
 タダモトに、まず前足を外させる。そして、睦は、さっと男から離れた。
                          (つづく)
 
 
 

「出水市新庁舎建設基本構想(案)」へのパブリックコメント

 今週のヤングマガジン10/10号に、
 出水市ご出身(!)、桜庭ななみサマ、ご登場~!!!

1109281s
 ぜひぜひ、本屋で手に取られてみてくださいな。
(ちなみに、拙コンビニでは、すでに完売・・・・)

 さて、大浦小中学校の校訓「負けるな」からの、我へのメッセージと思うことに
します。
 今朝、出水市役所へ“パブリックコメント(意見公募)”なる制度を利用して、
わが意見を送付させて頂きました。

=============================================================================
 出水市新庁舎建設基本構想(案)について、一言意見を書き送らせていただきます。

 かつて出水・高尾野・野田一市ニ町法定合併協議会の傍聴に通わせていただきました
が、
 「新庁舎位置は、出水市内でより高尾野町に近いところとし、具体的な建設場所は、
  新市において検討する。」
 という文言中の「より」というのは、現本庁舎の位置より“一歩”でも高尾野町に
近い位置ということであり、現庁舎の位置は検討に値しない・・・といった内容を、
高尾野町・野田町側委員の方が激しく主張されていたこと、思い出されます。
 確かに「昭和の合併」において、出水町・米ノ津町が合併し、今の本庁舎が現在地
に誕生したわけですが、当時はまったくの田んぼの中であったこと、図書館で拝見す
る記録写真に偲ばれます。それが今では、間違いなく出水市の中心地へと変貌したの
であり、「平成の合併」における新庁舎の建設位置も、将来を見据え、慎重な検討を
要することは、間違いありません。
 とはいえ、一市二町法定合併協議会が月2回のペースで開催されていた当時を思い
返してみれば、当時の私たちが、今のように日本の経済情勢が「悪くなっている」と
想像できていたとは、到底思えません。
 悲観的すぎるかもしれませんが、「市の将来人口は、58,000人とする」という文言
すら、あくまで“希望”であり、今や九州西回り自動車道が開通したからといって、
劇的に出水地区の現状が変化するとは思えません。

 「昭和の合併」当時であれば、旧出水市の人口自体はそれほど増加していなくても、
地方交付税制度等“富の再配分”制度が上手く機能し、新庁舎(現・本庁舎)周辺に
“新しい街が誕生した”のだと思います。ところが「国と地方は対等の立場」と言えば、
聞こえはよいものの、実質は「地方切捨て」と怨嗟の声を挙げてもよいくらい、大きく
地方自治制度の根幹が揺らぎつつあると思います。
 このような現状、ならびに先がわからない未来を必死に想像してみれば、新庁舎建設
のみならず、それに付随する道路等社会インフラの整備に要する資金を、どこから得る
ことが出来るのか、その資金を出来るだけ抑制しようと思えば、

 現庁舎位置での、新庁舎立替が、もっとも適切だと思います。

 自分なんぞは、「市町合併をおこなって削減された資金を、若い世代が出水に定住
できるような施策に回せるのか?」という疑問を、かつて発言させて頂いたことがあ
ります。新庁舎をコンパクトに建設して、経費を抑制して、じゃあそれが効果的に若
い世代に引き継げるのがというと、決してそうではない・・・・・・、
    同時に、皮肉も感じる次第です。
=============================================================================

・・・・・・・・・で、書いたからといって、なんらかの満足感が得られましたか?
と言われれば、

 「全然ナシ!。むしろ、虚脱感ばかりなり」
 と、はっきり書かせて頂きます。

 わが身からすれば、例え上のような“くだらない作文”であっても、それなりに
時間をかけたもの。
 一方で、市当局の担当者からすれば、
 「こんなくだらない作文を、今さら読まなければならんのかい!」
 と思われることでしょう。

 そのギャップ・・・・・・・・・・・・・。

 「市民参加」なんて・・・・・・・・、ああ、ナンナノサ・・・・・・。

 それでも、なお!。「負けるな」と言えるのか・・・・・。 

2011年9月27日 (火)

第十章「新米館主、後輩を得る」②

 そうそう・・・・。
 一応、きちんと「見た」と報告しなければなりません。
 柏木美里サマ出演『放送禁止』。
(「柏木美里って、誰?」という方も、実はYahoo!のサイト
を利用している方なら、最近は結構目にされているはず
                ⇒Webマガジン 月間チャージャー

1109262s
 う~~~ん、自分は男だし、そりゃあ見ている最中は下半身緊張とも
なるわけですが、観終わった後に、それほどの印象が残らず・・・・。

 女性の美しさ、に、なにを求めるのか?
  というのが、男によって価値基準さまざまって、こと??

 で、私が“口直し”に見た一本。
 『天然コケッコー』

1109263s

 主人公・右田そよちゃん、方言丸出しで「かわい~い」のですが、
けっして「幼い」わけではない。
 そんなキャラクターに、改めて魅かれ直しました。
(って、書くと「アンタ、ロリコン?」と言われそうですが)

 とかなんとか、日常からちょっと現実逃避しつつ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十章「新米館主、後輩を得る」②
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 仕事を終えたその日の夕方、合コンの件は、さっそく“じいさん”こと新納
義彰に話をした。
 「ふむ。合コンか・・・・。もちろん、わしも張り切るぞ」
 「ちがうよ~。きっと、じいさんは、対象外だよ」
 「なんの。茜さんの人妻の魅力に対抗できるのは、わしのいぶし銀の味だけ
じゃろ」
 まあ、いつもの軽口の応酬だが、じいさんはふいと真顔に戻った。
 「むっちゃん、せっかくこの試心館に協力してくれそうな人が集まりつつ
あるんじゃ。ここで皆さんに、きちんと『お願いします』をする意味をこめて、
新館主・むっちゃんのお披露目をしたらいい・・・。そう、むっちゃんの先輩
お二人は、提案してくれたんじゃな」
 「そうか。みんなに楽しんでもらうために、あれこれ考えなくちゃね」
 「そうとも。そうだ!、小雪さんにも、ぜひ弓の腕を披露してもらおう」
 「そうよね。茜さんにも、ぜひ『人妻の魅力、炸裂!』の特技を披露して
もらおうっと。二人に、お願いしておく」
 「そうじゃ、そうじゃ・・・。じゃが、殿方どのにも、ちゃんといいところ
を見せる機会を作ってあげなきゃの・・・・・」
 そこで、聞き耳を立てていたタダモトが、後ろ足で立ち上がって、アピール
をする。
 「そっか・・、心配しないで。タダモトも、ちゃんと実行委員のメンバー
として、参加してもらうわ」

 皆の都合を早く聞いて、日取りを決めてしまおう。まだ、大山のように
仕事上の名刺を交換しただけの相手もいる。GW後半に入ってしまう前に、
こちらから連絡を取ろう。ちょっと勇気がいるな~。
 みんなで、ワイワイと楽しめるゲームなんて出来たら、いいよな・・・。
 等々考えるのは楽しい。タダモトとの散歩の足取りも、つい軽くなる。

 ところが、ふいと足を停めさせられてしまう現場に遭遇してしまった。
  「あそこ、私のアパート・・・・」
 『ハイツM』と壁に描かれているアパートに、睦とタダモトは目をやった。
                           (つづく)

2011年9月26日 (月)

第十章「新米館主、後輩を得る」①

 確かに、近頃は空ばっかり、撮っております。

1109261s
 「休みの日」。ほとんど何も記憶が残らないまま、
過ぎてしまい・・・・。

 さ、また一週間がんばらねば!。

 で、こんな自作小説でも、読み続けてくださる方がいらっしゃると思うと、
張り切ることができます。感謝、m(__)m。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第十章「新米館主、後輩を得る」①
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

 鶴亀信用金庫のような金融機関は、もちろんGWはカレンダー通りの営業だ。
土曜日の「お見合い」の結果報告を、睦の先輩茜・小雪には、月曜日にするこ
とが出来る。

 月曜日のお昼休み。お昼休みをとる組み合わせは、睦と茜だ。
 「茜さん、じっくりと睦ちゃんに聴取、よろしく」
 と、窓口に残る小雪が、二人へさっと手を挙げてくれた。

 お茶を用意して、二人向かい合って「いただきます」をする。
 「さて。それでは睦ちゃん、聴取参りますからね~。で、どうだった?
御仮屋睦の“ボーイフレンド・ハンティング(狩り)”は・・・」
 単刀直入、茜が訊いてきた。のんびりと昼食を取れないのが、テラー(窓口
係)の宿命だ。急いで食べ、かつおしゃべりも楽しめれば、一人前のテラー
と、茜が以前冗談めかして教えてくれた。
 睦も、必死に食べ、かつきちんと報告するべき努力する。
 「もう・・・・。その“ハンティング”って、なんなんですか~。それじゃ
あ、いかにも、私、男漁りをしてるみたいじゃないですか~~」
 それでも、睦は茜に抗議した。
 「あははは・・。ごめん、ごめん。前に、小雪さんと話したの。『睦ちゃん
は、たくさんのボーイフレンドと、楽しくお付き合いしてもらいたいね』って。
 で。
 その“引きこもり青年”は、睦ちゃんの“ボーイフレンド・コレクション”
に加われそう?」
 「もう、今度は“コレクション”ですか・・・」
  睦は抗議を諦めて、話を進める。
 「“引きこもり”って聞くと、青白くて、ブクブクに肥満した人をイメージ
するじゃないですか。ところが、慎三郎さんは、確かに青白いんですが、肥満
なんぞしていなかったんです」
 「おおっ。それは、意外な“掘り出しもの”ってこと!?」
 「夜中に、一人木刀で巻き藁を叩いて、剣術の修行をしているらしいんで
す・・・・・・」
 睦は、出来るだけ手短に「お見合い」の出来事を、茜に報告した。“パンチ
ラ”のハプニングも、仕方がない、きちんと話した。茜も「そう」「それから?」
と合いの手を入れながら、聞いてくれる。そして、慎三郎が、新納流試心館への
入門を希望したところまで、弁当を食べつつ、なんとか話し終えた。

 「ふ~~む」
 聞き終えた茜は、しばらく考えこんでいる様子だったが、ふと
 「To be, or not to be,that is the question.
       ・・・・・・・
   生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。
 私が知っている、シェイクスピアなんて、これぐらいなんだけどね。
 その剣士ドノと睦ちゃんって、彼が『現在無職』ってこと以外、かなりばっち
りマッチングしているって、ことじゃない?。ううん、『現在無職』って、ことも
睦ちゃんは、まだまだ十分若いんだから、それほど失点じゃないわよね・・・・。
 そっか・・・、他のボーイフレンド諸君、心中穏やかではないわよね~、きっと」
  睦は、大山・桐嶋・坂道といった“ボーイフレンド”の顔を思い浮かべた。
 「あ・・・、私、もっと他の人のことも知りたいです・・・・・」
 「そうよね。睦ちゃんは、それだけきれいなんだから、遠慮なく欲張っていいのよ。
ボーイフレンド全員と、上手くお付き合いして欲しいな・・・・」
  再び、茜は何ごとか考えこんでいる。

 「そうだ。ここはいっそのこと、ボーイフレンド同士みんな、友達になってもら
いましょう!。・・・・そうそう・・・、ここは睦ちゃんの先輩、私と小雪さんの
出番よね。私たち三人で、その睦ちゃんのボーイフレンド達に合コンを申込ましょう」
 「合コン、ですか~~」
 「そう。・・・な~んて、合コン名目の、親睦会よ。ワイワイガヤガヤ、楽しく騒
いで、みんな、友達になっちゃうのよ。睦ちゃん一人だと大変だろうけど、先輩二人
が、ちゃ~~んとアシストしてあげる。さっそく、小雪さんとも相談してみる」
 「あっ、それ、いいですね」
 「でしょ」

 (フフフフ・・)と、茜が意味深な笑みをこぼす。
 「あっ、茜さん、どうしたんですか?」
 「でもね。私だって、合コン、張り切るわよ。人妻の魅力、炸裂~~っ!、てね」
  上目遣いの妖艶な表情を、睦に見せてくれる。
                            (つづく) 

2011年9月24日 (土)

わが心は石にあらねば・・・

 雲ひとつない、青空。

1109241s
 まあ、そりゃあ、朝晩はぐっと冷え込みますね。

 申し訳ありません。自作小説は、この後の展開をしばし「思案投首」
(ふと思い出した4文字熟語でし)中・・・・。

  駄文。
 昨夜11時過ぎ。コンビニへ制服警官お二人組が、立ち寄ってくださり
ました(最近の、県内でのコンビニ強盗多発を受けて、定期的にコンビニ
各店舗を巡回してくださっております)。
 年長者であろう男性警官の方が、「おでんがうまそうだね~」等々おしゃ
べりを少々してくださったのですが、オジサン店員の目は、その後ろ、控えめ
に立っていらっしゃる、婦人警官ドノに。
  (わ~~、オキレイ・・・・)
 ちょっと化粧品売場に視線を移すしぐさも、ばっちり拝見させていただき、
オジサン、得した気分!。
(いえ、もちろん、その婦人警官ドノ、いざ川端通りでの喧嘩の仲裁をしな
ければならん、という時にも、果敢に出動されるのでしょう。
                 公務とはいえ、お疲れ様でございます)

 さて、ただいまのわが難題。

 もう10日以上も前に、わが家に投函されていたもの。

1109242s
 『新庁舎の位置アンケート調査票』とのこと。
 で、9月30日までに投函せよ。と。

 う~~ん、かつて、法定合併協議会を欠かさず傍聴していた者にとっては、
なにか一言書きたい、のですが、現状の自分は、何も思い浮かばず・・・・・。

 代わりに思い浮かぶは、
 高校生の時読んだ、高橋和己の小説「わが心は石にあらず」。
 いや、もう話の中身はほとんど忘れているわけですが、冒頭に掲げられてた詩。
(自分は「作・北原白秋」と書いてあったように記憶しておったのですが、それ
は記憶違いのよう)
 『我が心は石にあらねば
   転ばすべからざるなり。
  我が心は筵(むしろ)にあらねば
   巻くべからざるなり。』
  
  我が心はあっちの転がり、はたまた、向こうへポ~~ンと転がり・・・・。

2011年9月23日 (金)

第九章「ひきこもり剣士」⑨

 ぐっと秋へと・・・・。

1109231s
 夜の帰り道は、「寒い!」の一言。
 長袖Tシャツを着込んで、晩酌に。

 さて、そんな季節の変わり目を利用しての、
 心機一転したこと。
 ネットゲーム「戦国IXA」から、引退させて頂きました。

 ゲームなんぞに関心の無い方から見れば、
 「なんで、そんなに熱中できるの?」
 なのでしょうが、店員稼業が嵩じて“人嫌い”となった身としては、
ボ~~ッと時間を過ごせる便利なものでした。

1109232s
 お気に入り姫武将カードとも、サヨウナラ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第九章「ひきこもり剣士」⑨
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m
 「それって、どういうこと?
 う~~ん、私、哲学なんて、完全にチンプンカンプンな小娘なんだけれど、
すこしはお役に立てれたって、自惚れていいの・・?」
 「お姫様」なんて呼んではくれるものの、自分よりはるかに年下の睦に、
ペラペラとわが身のことをしゃべるのは、慎三郎のプライドが許さないのだろ
う。久しぶりに英語を使うことが出来る相手が見つかって、慎三郎は単純に
嬉しいのだ、と睦は解釈させてもらうことにした。

 「もちろん!!
  お姫様。今日は、大いに上機嫌になられて結構でございます」
 慎三郎は、ここで睦に向って、深々と頭を下げてきた。タダモトが「なにご
と?」とばかりに、頭を上げた。
 「そして、ひきこもり剣士・平手慎三郎より、
   お姫様に、ひとつお願いの儀がありまする」
 なにを思ったのか、今度は石畳の上で、居ずまいを正して正座だ。
 「ちょっと困ります」
 仕方がない、睦も石畳の上に正座しようとしたが、
 「あいや。お姫様は、どうぞ、そのままに」
 と、とめられた。それなら、と睦はベンチに、きちんと座り直した。

 慎三郎が、手をついた。
 「この私めを、なにとぞ新納流試心館に入門すること、お許し願いたく候」
 「えええっ!。入門・・・・・」
 睦は、つい声に詰まってしまう。確かに、試心館は道場だ。だから、“入門
希望者”は歓迎しなければならないのだ。

 「あっ、・・・ごめんなさい。私、平日は・・・、仕事があるし・・・、それ
は、じいさんに・・・・相談させてください・・・・、ハイ」
 睦は、しどろもどろになりながら、答えた。
                     (第九章「ひきこもり剣士」おわり)
                     (まだまだまだ、続きます)

2011年9月22日 (木)

『やさしい旋律』

 ふ~~~。
 結局、昨夜は店番をする同僚を横目に、最後まで飲み会に付き
合わせて頂きました。
(最後まで飲んでいた人。美人な女性お二人、オーナー殿、オレ)

 寂しく思ったこと。
 自分、ホント“食欲”がなくなったな・・・。
 一次会では、もっぱら生ビールをぐいぐい飲むばかりで。
 二次会は「おいしい」と評判(?)の焼き鳥屋さんだったのですが、
そこで食べた焼き鳥の味も、あまり印象に残っておらず・・・。

 いざ、会話をしようとしても、なかなか気の利いたネタは出てこず・・。

 気を取り直すためにも。
 まずは、DVD鑑賞ネタを。

 『やさしい旋律』

1109212s
 Amazonで、なにげなく「見てみたい作品ないかな~」と探していたら、
 新品618円というお値段。
(実は、ジャケットの中に一切封入物ナシDVDのみ、という状態でした
から、「新品」ではなかったのでしょう・・・)
 ヒロインの設定が「銀行員」。愛しのヒロイン・むっちゃんを描き続けて
いる身としては、これりゃあ、見なければ!
 で、購入。

 主演は柳沢ななさん。初めて、お名前を知りました。自分としては、かなり
直球ド真ん中ストライクの“好み”の顔立ち。
 「真面目でいい子なんだけれど、ちょっと暗い」という役柄設定に、とても
合っていたように思います。
 私ごときが、初めてお名前を知るくらいに、“まだ売れていない”女優さん
らしい・・・・・・。
            残念。これからも、ご活躍を。

 さて、期待しながら見た「銀行員」という設定には、がっくり・・・。
 23区内の6畳フローリングのワンルーム・マンション?。そこには、本棚はなく、
パソコンはあるものの、セッティングもされておらず、放置状態?。う~~ん、これ
で「行内で一、二を争う優秀な女性」となるか??・・・・。
 「銀行員」としては、どんな部署でどんなお仕事をしているの?という点も、曖昧な
まま。テラーさん(窓口係)ではない、ということは解りますが、どういう立場で接待
の場に?・・・・。

 そして、お若い女性、イヤ、20代半ばくらいの会社勤めOLさん。一人暮らしが
出来る程度の収入はある方、と区切ってもいいのでしょうか。
  彼女たちの脳内って、そんなに「運命の人に、巡り合いたい」願望で占領され
まくっているものなのでしょうか。
 (オジサン目線で考えてしまうと)
 ちょっときれいな女の子、だけれども、恋愛願望脳内Fullとしたら、かなり興醒
め・・・・・のような気がします。

 うん、でも、熱々カップルが、クリスマスイブの夜に二人並んで見る、という
場面には、確かにピッタリの一枚かもしれません。

2011年9月21日 (水)

第九章「ひきこもり剣士」⑧

 休みの日の、わが定番行動パターン。
 夕方の「だいわ」への買物。
 その帰り道。
 台風の影響なのでしょうか。
 いつもとちょっと違う夕焼け。

1109211s
 うが・・・・。もっと開けた空間があるところまで、
足を運びたかった。

 で、今日はお昼から夕方まで店番。
 その後、職場の飲み会。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
     第九章「ひきこもり剣士」⑧
(最初から読んでみたいと思ってくださった方は、
    「新米館主・御仮屋睦」の目次ーFC2小説
                       を是非に。m(__)m

(世界は、なんと不平等であることか!
  
   お姫様は、芳香放つ花のようにセクシー、

   お姫様は、馬を駆る騎士のように華麗、)

 The princess,
    She is wisdom
     like A poet is playing with words.
(お姫様は、言葉と戯れる詩人のように聡明)

 What an unfair world!

    I am out of work,
    I am living in my room from week to week.
(世界は、なんと不平等であることか!
     オレは、無職、
      オレは、日がな部屋にひきこもる)・・・」

 「はぁ・・・・」
 睦は、ついため息を出してしまった。
 ところが、それを見た慎三郎は、ニヤリと笑う。
 「But,
     Therefore the world is interesting.
   (しかし、それゆえに世界はおもしろい)」
                      (つづく)
 

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